YouTuberという存在が一般的になった今、オカルト系のYouTuberも数多く活躍している。都市伝説を語るYouTuber、怪談を語るYouTuber、心霊スポットに突撃するYouTuberなど、ジャンルは多岐にわたる。その中でもガチで心霊スポットに突撃する系のYouTuberの動画は最も見ごたえのあるジャンルのひとつと言えるだろう。
今回TOCANAでは、そんな心霊スポットに突撃するYouTuberの中でも、現在まで400ヶ所以上の心霊スポットを回り、登録者数20万人に迫る勢い(2024年7月現在)の人気心霊YouTuber『オカルトスイーパーズ』(略してオカスイ)に話を聞くことができた。
オカスイのメンバーは、リーダーでありながら基本的にロケの運転手を務める元太田プロ所属の芸人ターチャイ、同じく元太田プロのパルマ、同じく元太田プロで霊感があるサトシ、そして元テレビ制作会社勤務のじょん太の4人からなる。メンバー4人のうち、3人が芸人として活動していたという異色の経歴をもつ彼らを掘り下げてみたい。
『オカルトスイーパーズ』とは
ーー今や大人気チャンネルのオカルトスイーパーズですが、結成の経緯はどのようなものだったのでしょうか。
ターチャイ:僕たちが所属していた太田プロという会社は、元々芸人がYouTubeをやることが禁止されていました。でも2020年頃、世の中がコロナ禍になった時にYouTubeが解禁されたんです。そこで僕とパルマ、元いたメンバー3人とでYouTubeをやろうという話になりました。元々僕の夢のひとつに「テレビの心霊番組で面白いリアクションをする」というものがあったんですけど、最近はテレビの心霊番組も減ってしまったので、「じゃあ自分たちで作ろうぜ」となったのがオカルトスイーパーズの始まりです。
最初は5人だったんですが、その後何度かメンバーの入脱退があり、一時的に僕とパルマとじょん太の3人になりました。その時に僕の可愛がっていた後輩がサトシを紹介してくれて、今の4人体制になりました。それが去年の5月くらいですね。
サトシの初めてのロケは沖縄だったんですけど、ロケをしていたら変な音とか声とか聞こえるわけなんです。それでロケ終わりにサトシに変な音とか聞こえたね、という話をしたらサトシが「いましたね」とか言うんです。え、どういうこと?って聞いたら「僕、(霊が)見えるんですよ」って……。「最初に言えよ!!!」ってなりました(笑)。
サトシ:僕は僕で、誰かしら霊感あれよ!って思いましたけどね(笑)。
ーーサトシさんは元々、霊感があったんですか?
サトシ:正直、霊感があるかはわからなかったんです。でも霊を見ようと思ったら見えちゃったので、「あ、見えるんだ」と気付いた感じです。特に家族と霊感などについて話したことはないんですけど、母方が占い系の家系ではあったので何かしら受け継いだのかもしれません。はっきり霊の顔が見えるとかはないんですけど、縁取ったような形だったり、その人が亡くなった時にどういう気持ちだったのかとか、凄く稀にですけど、その人が見たであろう記憶というか映像が見えることもあります。
ーー霊の見え方について、霊感が強い知人から全く同じ話を聞いたことがあります。やはりある程度見え方って決まってくるのかもしれませんね。
ターチャイ:じゃあ(サトシに霊感があるのは)本当なんだな。
サトシ:だから本当なんだって!!
ーー霊が見えることによって何か影響があったりしますか?寄ってくるとか憑いてきちゃうとか。
サトシ:「憑いてくるな」ってわかる時もあるんですけど、その時は「憑いてきてもいいけど何もしないでね」とお願いする気持ちでいたりします。会話自体はできないので、霊を祓うっていうのは少し暴力的かなと思ってしまいますね。ただ特に今までも霊的なネガティブなことがあったこともなく、ちょっと霊が見たであろうイメージの続きを夢を見てしまうことがあるくらいです。
ーー他のメンバーのみなさんも何か霊障みたいなことはなかったんでしょうか?
ターチャイ:僕たちは5年間で400ヶ所の心霊スポットに行ったんですけど、影響を受けたことが1回あるかな?くらいです。その1回も霊の影響かどうかっていうのは定かではないんですよね。僕は昔、同級生がバイクの事故で亡くなってしまって、彼のお葬式に出た次の日に体の様子が明らかにおかしくなったことがありました。胸に何かがずっとつっかえているような苦しい感じがあって、親にも「何かに取り憑かれてるみたいな顔してるけど大丈夫?」と言われたことがあったんです。その時と全く同じことが、大分県のキリシタン墓地という心霊スポットに行った時にありました。ヤバいなと思ったのはその1回くらいです。
ただ、これは後輩の話なんですけど、後輩が心霊スポットに行った時に心霊写真が撮れてしまって、「霊が憑いてきそうな時はお風呂に入るのがいい」と聞いていたらしく、帰りに近くの銭湯に寄ったらしいんです。そして湯船に入ろうとした瞬間、誰かに足を掴まれて転んで、足をパックリ切ってしまって入院するほどの怪我をしたことがありました。これは霊がお風呂に入らせないようにしたのかな……と。強い霊だとそういうこともしてくるのかもしれないですね。
ーーオカスイの動画の編集はかなりのクオリティですけど、全てメンバーご自身で編集されているんですか?
じょん太:メインの編集は僕が担当しています。メンバーの中で僕だけ芸人ではなく、テレビの制作会社で働いていたんですけど、その時の編集の技術が提供できているので凄く楽しいですね。テレビのような編集に寄せようと意識している部分もあるので、クオリティが高いと言ってもらえると嬉しいです。
ーー他の心霊系YouTuberと違う、オカスイのこだわりみたいなものはあるのでしょうか。
ターチャイ:僕たちはサトシ以外霊感もないですし、本当にビビりなんです。なので、他のYouTuberさんだったら一番奥まで行けるような心霊スポットでも、僕たちは奥まで行けないことがあったりします。でも僕は本当の心霊ってそういうものだと思っているんです。怖いものは怖い、というリアルなものを皆さんに観せたいと思ってますし、怖いのが苦手な人でも観られる笑いあり恐怖ありの心霊チャンネルになるよう心掛けています。
じょん太:最近、実際にお客さんを呼んでイベントを開催したんですけど、小さな子どもも来てくれたりして、子供も観られるチャンネルなのかなと思います。「家族で観てます」って言ってもらえると嬉しいですね。
ターチャイ:オカルト系のYouTubeって、顔がかっこいいとか、面白いことをやってるから観るみたいな割とカジュアルなコンテンツも多いと思うんですけど、心霊系に限っていえば、何が何でも怖いものを観たい人が多いと思うんです。なので、僕たちという人間じゃなくて心霊が好き、という人にも観てもらえたらなとも思っています。