■海底火山の噴火で熱湯が湧出
「熱海」という名は、海中より温泉が凄まじく沸き上がり、海水がことごとく熱湯になったという伝承に由来するという。その様子から「あつうみが崎」と呼ばれ、それが転じて「あたみ」になったと言われている。
奈良時代、箱根付近の海底火山が噴火して海中から熱湯が沸き、魚が焼け死ぬなどの被害を漁民が訴えているのを聞いた僧・万巻上人が、祈祷によって熱湯の泉脈を陸地の火山(大湯間歇泉)へ移動させたという開湯伝説がある。そこへ薬師如来と少彦(スクナヒコ)名神を祀って守り神としたのが、湯前権現(現在の湯前神社)であると伝えられている。