この番号は「ケッヘル番号」と呼ばれ、KまたはKVで表記されます。
例えば、世界的に有名な『フィガロの結婚』は「K.492」です。
神童時代の未発表曲を発見!
国際モーツァルテウム財団は昨年、ドイツのライプツィヒ市立図書館にて、モーツァルトの楽曲の完全なアーカイブであるケッヘル目録の最新版を編集していた際に、未発表の楽曲が記された譜面を発見しました。
この譜面自体はモーツァルト本人の手によるものではなく、1780年頃に作成された写本と見られています。
同財団のウルリッヒ・ライジンガー氏が中心となって調査を進めた結果、この譜面はモーツァルトの神童時代にあたる1760年代半ばから後半のどこかで書かれたものと判明しました。
その根拠となったのは、作曲者の署名欄に「ヴォルフガング・モーツァルト」と記されていたことです。
実はモーツァルトがミドルネームの「アマデウス」を使い始めるのは、1769年に初めてイタリアを訪問した後になります。
それまではミドルネームのない「ヴォルフガング・モーツァルト」を使っていました。
実際の譜面の画像はこちらからご覧いただけます。
この点を踏まえると、新たに発見された楽曲が作成されたのはモーツァルトが少なくとも13歳以前のことになります。
一部報道では「モーツァルトが9歳頃に作曲したもの」とも報じられました。
では、現代に蘇ったモーツァルトの失われた名曲を聴いてみましょう。
現代に蘇ったモーツァルトの「失われた楽曲」
実際に音源を聴く前に、楽曲の内容を簡単に見ておきます。
この曲は2つのバイオリンとチェロで演奏される弦楽三重奏曲として書かれていました。
7つの短い楽章からなり、演奏時間は全部で約12分と短いです。
曲のタイトルは「ガンツ・クライネ・ナハトムジーク(Ganz kleine Nachtmusik)」と呼ばれており、ケッヘル番号は「KV 648」として正式に収録されています。