自民党総裁選で労働者の解雇規制が争点の一つとなっていますが、中小企業の社員や非正規社員などが差別されている実情を無視して日本の解雇規制が厳しくないと主張する朝日新聞の評論が話題になっています。
日本の解雇規制は厳しい? 小泉氏の主張、国際指標から見ると 朝日新聞
■
朝日新聞はOECDの報告書を根拠にしていますが、解雇規制の項目でない指標を指して解雇規制は強くないと主張しています。
これは単なるEPL指標の読み間違い。朝日新聞お得意のデマ流すなっての。
OECDのEPL指標は「手続、予告期間、解雇手当金」など種々要素を総計した「雇用保護指標」で「解雇の困難性」そのものを示すものではない。「解雇の困難性」のみを取り出せば日本は堂々最も解雇規制の強い国の1つ。 UWfyXIy5Wq pic.twitter.com/SqtUhErzGn
— リカオン (@cocoopit_t) September 25, 2024
なぜ朝日新聞はそこまでして解雇規制は弱いと主張したいのでしょうか。この記事では大企業の正社員が組合に守られている一方で、中小企業の社員は解雇が自由であるという格差があるという現実に触れていません。
9/25朝日「日本 解雇規制厳しい?」この議論は、組合に守られている大企業の正社員と、実質的に解雇自由になっている中小企業の格差を前提にしないと意味がないですよね。「リベラル」であれば、「会社の規模に関係なく、解雇や人員整理についての平等なルールをつくるべきだ」と主張すべきです。
— 橘 玲 (@ak_tch) September 25, 2024
一部の判例やOECDの答弁などによる一般論を提示するよりも、朝日新聞は具体例として自社の実情を説明してほしいものです。
朝日は「非正規の正社員化」や「同一労働同一賃金の徹底」も主張していますが、「朝日の非正規社員は本人の希望でいつでも正社員になれます」とか、「親会社からの出向と子会社のプロパー社員に賃金・待遇の違いはありません」とか、ぜひ説明してほしい。
— 橘 玲 (@ak_tch) September 25, 2024