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歴代シルビアでもっとも幸薄かった2代目
1970年代にロータリースポーツの実用化を目指した日産
歴代シルビアでもっとも幸薄かった2代目
MOBY編集部がAIに聞いた、「30~50代のクルマ好きが気になる名車」には、えっこんなのも?!という意外なクルマから、当たり前だよね~というくらい鉄板で、もはや世代を問わず高評価を得まくっているクルマまでさまざまです。
日産のFRスポーツクーペ「シルビア」の歴代モデルは後者ですが、その中で唯一「何か特筆すべきことがあったっけ?」と、ファン以外は首を傾げてしまうのが2代目S10型シルビア…噂通りのロータリースポーツになっていれば、話は違ったのでしょうか?
1970年代にロータリースポーツの実用化を目指した日産
1960年代から自主開発を始め、1970年代にはマツダなどと同様に西ドイツ(当時)のNSU/ヴァンケルから使用権を買った特許で、一気に実用化へ近づいていた、日産のロータリーエンジン。
1972年の東京モーターショーでは、B110型サニー・エクセレントクーペへ500ccローター×2でペリフェラレルポートの2ローターエンジンを積んだ試作車を発表し、早ければ翌年の市販にまで言及、ロータリーエンジンの専用工場まで作っていたと言われています。
1972年といえば厳しい排ガス規制、通称「マスキー法」への段階的な対応が始まった頃であり、翌年には名機S20エンジンでの対応を断念した2代目スカイラインGT-R(KPGC110型)が、短期間・少数生産で廃止されたという頃。
当時、NOx(窒素酸化物)の排出力が少ないロータリーエンジンは、環境性能とパワーを両立した「公害対策エンジン」という扱いでしたが、通常のレシプロエンジンでも規制対策に力を入れていた日産にとってのロータリーは、少々扱いが異なったようです。
日産がロータリーに期待していたのは、そのコンパクトさから排ガス規制対策用の補機類の追加が容易だったこと、それで小型車でも環境と排ガス規制対策を両立できる、若者向け小型スポーツカーを作れるじゃないか、という想いがあったとも言われます。
いずれはスカイラインなどにも搭載し、にっくきマツダRE軍団へリベンジ…という野望まであったか定かではありませんが、試作車がサニーエクセレントベースで、市販車のサニークラスのクーペになる、とされていたのは確かです。