バンコクの日系不動産社長が自己の失敗経験をもとに語る

タイの首都バンコクは日本人が住みやすく、リタイアした富裕層やフリーランスの居住者が増えています。

そこで、住みやすいエリア、不動産購入の注意点について、日本・タイ・カンボジアの3か国で不動産会社を経営している富士リアルティの永松社長に話をうかがいました。

格闘家でもある永松社長(中央)第15回全日本マスター柔術選手権(2021年)マスター6青帯フェザー級優勝

住むなら、バンコクの伝統的な中心街シーロム通り周辺か、人気のスクンビット通り周辺か?

――バンコクに移住する場合、どのエリアが良いでしょうか?

永松社長(以下、敬称略):お子様と一緒でなければ、バンコクの伝統的な中心街であるシーロム通り周辺も良いでしょう。東京で言えば丸の内周辺です。大歓楽街のパッポンや日本人向け歓楽街のタニヤがありますから、丸の内の隣に銀座と歌舞伎町がくっついている感じです。ビジネスもプライベートも楽しめるでしょう。

――賃料はいくら位でしょうか?

永松:30平米くらいの1ベッドルームの部屋で25,000~30,000バーツ(約10万円~12万円)です。

――中心地なのにお手頃価格ですね。永松社長もこのエリアに家を借りていらっしゃるのでしょうか?

永松:以前はシーロム通り周辺をバンコクの拠点にしていました。でも、最近はスクンビット通り周辺で人に会うことが増えてきたので、スクンビット通り周辺のコンドミニアムを借りています。日本人にとっては、スクンビット通り周辺の方が便利になってきていますね。

日本人に人気のスクンビット通りエリア

――スクンビット通り周辺について教えてください。

永松: BTS(高架鉄道)の駅で言うと、アソーク駅から、プロンポン駅、トンロー駅、エカマイ駅という4つの駅の周辺が一番人気です。弊社もアソーク駅の近くに事務所を構えていますし、私もコンドミニアムを借りています。私のコンドミニアムは、約30平米で35,000バーツ(約14万円)です。

タイ国政府観光庁、タイ観光案内サイト「バンコク路線図」より一部加工。※赤い線で囲ってあるのがスクンビット通り周辺

スクンビット線=黄緑色のE4からE9が日本人の多いエリアタイ国政府観光庁のウェブサイト掲載の路線図を一部拡大

――このエリアが日本人に人気なのはなぜでしょうか?

永松:日本人学校のスクールバスが廻るのは基本的にこのエリアですので、お子さんのいる日本人家庭が住み、塾やその他の習い事も集まってきました。さらに、日本の食材を扱うスーパーマーケット、日系のレストラン、居酒屋、日本語の通じる病院もあります。日本式スーパー銭湯まであります。もちろん、タイ料理屋なども揃っています。