■「腰まで埋まった」後では手遅れの可能性も…
作中では、底なし沼にハマった際に恐ろしいのは「深く沈むこと」と説明している。
泥が深いほど圧力も強くなるため、沈めば沈むほど動きがとれなくなってしまう。だが、立とうとすればするほど深く沈んでしまうジレンマが存在するのだ。
これは立った際、全体重が足の裏にかかるためで、まずはこの力を分散する必要がある。黒髪の少女は「お尻・背中・頭を泥につけると体重が分散され、足にかかる体重を軽減でき、圧のかかる深みに沈むのを防ぎ、足を泥から引き抜けます」と、そのロジックを説明していた。
体重の分散に成功した後は、背泳ぎや匍匐前進の要領で脱出できるのだが…いかに早くこの方法に気がつけるかが最大のカギにしてリミット。なぜならば腰まで埋まってしまった場合、もはや下半身が倒せないため、体重を分散させるのが困難になるのだ。
人はこうした危険に直面した際、「無事に助かりたい」という最重要項目に加えて「衣類を汚したくない」「荷物を捨てたくない」「お金が勿体無い」といった考えに意識を割きがち。
作中では今回のケースに限らず、この「正常性バイアス」を捨てるのが重要であるとも強調している。