星の重力に束縛されない”はぐれもの惑星”が新たに見つかったようです。
欧州宇宙機関(ESA)は最近、地球から1500光年先にあるオリオン大星雲の中に7つの「自由浮遊惑星」を発見したと発表しました。
自由浮遊惑星は永遠の暗闇に閉ざされた孤独な天体ですが、研究者たちは「生命が存在する可能性がある」として大いに注目しています。
では、自由浮遊惑星とは一体どんな場所なのでしょうか?
孤独に宇宙をさまよう「自由浮遊惑星」とは?
私たちが知っている惑星のほとんどは一般に「惑星系」という天体システムの中に属しています。
惑星系とは、一つの恒星(主星)を中心にして、その周りを惑星や衛星が公転しているシステムです。
例えば、私たちが暮らす地球は太陽を中心とした「太陽系」に属しています。
地球は太陽の重力によって同じ公転軌道に留まり続けており、また太陽の光のおかげで昼と夜のある生活を送ることができています。
加えて、太陽系には地球の他に7つの惑星が同じように公転しており、私たちの惑星は決して孤独ではありません。
これと対照的に、惑星系に属していないのが「自由浮遊惑星(rogue planet)」です。
一般に惑星は主星となる恒星が新しく誕生するときに、その周囲の塵やガスが寄り集まることで形成されます。
そのため、惑星は基本的に初めから何らかの星系に属しているものです。
ところが、近くにある惑星同士の重力の相互作用や、恒星の進化の過程で起こる強烈なガス放出などが原因で、星系に属していた惑星が公転軌道から弾き出されることがあります。
こうして一人ぼっちになってしまった惑星が「自由浮遊惑星」なのです。
自由浮遊惑星は主星の重力に束縛されないので、その名の通り、宇宙のただ中を自由に放浪し続けます。
さらに主星の光を失ったせいで昼と夜のサイクルも失っており、その世界は永遠の暗闇の中に閉ざされています。
これは同時に、自由浮遊惑星の発見を困難にする要因でもあります。
惑星はそれ自体で光を放つことがないので、観測には周囲の星の光に頼らなければなりませんが、自由浮遊惑星は主星の光に照らされないので見つけるのが難しいのです。
しかしそんな中、欧州宇宙機関(ESA)の研究チームは、最新の宇宙望遠鏡「ユークリッド」を使って、7つの自由浮遊惑星を発見することに成功しました。