■犯人と同い年の人物に話を聞くと…

そこで今回はSirabee編集部に籍を置く、奇しくも件のバスジャック犯と同い年だという1982年(昭和57年)生まれの編集部員・S氏に話を聞いてみることに。

事件発生当時の心境について、S氏は「衝撃的でしたね。当時、自分も犯人も17歳。高校3年生とあり、進学のことで頭がいっぱいで、そんな最中目にしたのがこの事件でした」と前置き。

続けて「『絶対逮捕されるのになぜやったのか』『バカすぎ』など、だいぶ冷めた目線で見ていました。同時に、3年前に起きた『神戸連続児童殺傷事件』の犯人と同学年だったことから“キレる17歳”などと世代全てが総称され、本当に迷惑だなと思っていました」と、眉をひそめる。

そして「ネオむぎ茶は犯人が2ちゃんねる(当時)で使っていたハンドルネームですが、当時学校で2ちゃんを知る人は『ネットに詳しいごく一部』という時代。書き込んでいるのは非モテ、非リア充の象徴という感じで『そんな安全な世界で虚勢張って、終わってんなコイツ』と、心の中でディスってました」と、同世代ならではの忌憚のないコメントを寄せてくれた。

一見普通の麦茶、危険すぎる6文字にギョッとしたが… 店員の「神対応」に称賛相次ぐ
(画像=『Sirabee』より引用)

話題のNEOブランド「むぎ茶」については「完全に偶然の産物だと思いますが、僕の世代やその上の世代だと『おぉぉ…これは笑ったら不謹慎なやつ』と、やっぱり気づいてしまいます…。でも正直、ちょっと面白いと感じてしまうのがリアルなところです」と、これまた正直なコメントが。

S氏は「事件で亡くなった方がいるので茶化して良いことだとは考えませんが、こういった写真が盛り上がってしまうのが匿名ベースのXらしい倫理観だとも思いますし、あのセンセーショナルな事件から20年以上経過し、人々の記憶の中でほぼ咀嚼、消化しきったのかな…とも思いました」とも語っており、事件の「重大さ」とインターネットの「倫理観」の対比を、今回改めて感じた人は決して少なくないだろう。

あの事件から24年という年月が経ち、インターネットは人々の生活とさらに密接な存在となった。今から24年後の2048年、未来のネットユーザーらは過去のネットミームを振り返り、何を思うのだろうか。