イスラエル軍はガザ攻撃でも事前にパレスチナ住民に避難を呼び掛けたし、レバノンでもヒズボラ拠点への空爆前に住民に避難を呼び掛けていた。一方、ハマスとヒズボラはイスラエル軍の攻撃を避けるために住民を盾に利用してきた。そのため、多くの民間人、女性、子供たちが犠牲となってきた。
以上から一つの教訓が生まれてくる。中東のイスラム教国はイスラエルとの戦闘は可能な限り回避すべきだ。勝利するチャンスが少ないばかり、国民に多大な犠性を強いる結果となるからだ。もちろん、白旗を掲げて屈服せよといっているのではない。イスラエルとの問題では戦闘で解決する選択肢を排除し、外交、対話で解決の道を模索すべきだということだ。
一方、イスラエル側は自身がもはや少年ダビデではなく、筋力隆々の成人ダビデであることを認識し、拳を挙げることを避け、隣国のアラブ諸国との共存の道を模索すべきだということだ。力で問題を解決しようとしたならば、イスラエルは必ず国際社会で孤立する危険性が出てくる。ユダヤ民族は昔は国もなく世界に離散していて他民族から迫害されたが、今は強いから国際社会から嫌われているのだ。戦いは必ず恨みをかうのだ。
中東地域にはアブラハム・イサク・ヤコブの神が導いてきた多数の民族が生きている。イスラエルは中東のイスラム国と共存できない理由はないのだ。戦闘は外交の敗北を意味するといわれている。今こそ民族間の対話(外交)を蘇らせるべきだ。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年9月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。