ショルツ連立政権はSPD、「緑の党」、FDPの連邦レベルでは初の3党連立政権だ。来年秋には連邦議会選挙が待っているが、予算問題から移民対策まで連立政権内の政策の違いから対立が絶えなかった。FDPは東部3州議会で議席がなく、「緑の党」はザクセン州だけで辛うじて議席を確保するといった惨憺たる結果だった。東部3州ではショルツ連立政権は存在しないのに等しいわけだ。ブランデンブルク州議会でのSPDの勝利はあくまでもボイトケ首相の個人的人気と11年間の実績によるものだ。その意味で、SPD内でショルツ首相への辞任要求は治まらないだろうという声が依然強いわけだ。
なお、ドイツでは「ブランデンブルク州議会選が終われば、来年の総選挙のキャンペーンが始まる」といわれている。確かな点は、SPDはショルツ首相を次期総選挙でも党筆頭候補者にするか否かで、SPD内の議論は更に熱を帯びてくることだ。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2024年9月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。