DAZN 写真:Getty Images

 FIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選における日本代表戦のアウェイゲームを独占配信しているインターネット動画配信サービス『DAZN』。月額料金値上げや同時視聴制限などで批判や苦情が相次ぐなか、セリエA第5節3試合の配信中止や東京ヴェルディサポーターからの提訴でも話題になる裏で、DAZNに異変が起こっている可能性が指摘されている。

 DAZNは2016年8月23日に日本国内でのサービス提供を開始すると、2017年からJリーグやラ・リーガ(スペイン1部)などサッカー中継もスタート。Jリーグと10年規模の大型契約を結んだほか、2021年にはアジアサッカー連盟(AFC)と2028年までの長期契約を結び、W杯アジア最終予選などの放映権を取得している。

 一方でUEFAチャンピオンズリーグ(CL)、UEFAヨーロッパリーグ(EL)の配信を中止したことで騒動に発展した過去も。2024年2月には3年連続となる月額料金の値上げにくわえて、同時視聴制限を開始している。

 また同時視聴制限を巡っては、2024年7月2日に東京Vサポーターで東京都内の大学に在学している法学部生がDAZNを相手取り提訴。原告は「同時視聴可能台数に関する仕様が、契約の給付内容に含むかどうか」「DAZN側がサービスプラン及びサービスの価格を変更することができるとした利用規約4条10項の有効性」を争点とし、消費者契約法第十条の条文と照らし合わせながら、同時視聴可能台数の仕様変更が債務不履行を構成すると主張している。

 くわえて9月には、ローマ対ウディネーゼなどセリエA第5節の3試合が突如配信中止に。DAZNが2024/25シーズンのセリエA全試合独占配信をアナウンスした上で、「本配信については、内容の変更または中止する場合がございますので、あらかじめご了承ください」と案内していたとはいえ、「途中まで全試合配信した後に縮小するのは、期待感を煽って先払いさせてからサービスの質を下げる行為に当たる」として、一部のサッカーファンから消費者庁へ告発されている。