「コンプレタダ」とは
南米の経済優等生と呼ばれるチリですが、貧富の差が大きく、一般的な市民の懐はそんなに温かくありません。病気やケガの治療、火事、アーチスト支援など、お金を集める必要があるときにチリでよくやられるのが、「ビンゴ大会」「くじびき」そして、「コンプレタダ」。「コンプレタダ」はコンプレートを売ってお金を集めるイベントで、私も大学構内で何度か目にしたことがあります。また、町内会などでも催されるそうです。
なぜコンプレートを売るのでしょう?
原材料が安く、ほとんど火を使わず、調理が簡単で誰にでもできるから。食べるのも簡単で、お皿やフォークは必要ないので洗い物の手間や心配もありません。なんて合理的な食べ物なのでしょうか。作るのが手間で、燃料費などもかかったら、それだけ高い価格で売らなければ利益は出ませんが、コンプレートだったら、安く売っても簡単に利益が出る。みんなで美味しく食べて、その売り上げで困っている人が助かれば一挙両得ですよね。
コンプレートを作ってみよう
友達とコンプレートを作ってみました。
材料は、
- ソーセージ(ボイルする)
- アボカド(レモン汁、塩をかけてペースト状にする)
- トマト(賽の目切り)
- ピクルスミックス(既製品)
- マヨネーズ(今回は手作り)
マスタード(今回は手作り) などです。
コッペパンをオーブンで温める(オプション)
コッペパンは上ではなく、横に切り込みを入れ、ソーセージなどの具がしっかり入るようにパンのふわふわした部分を少し取る(重要)
ボイルしたソーセージを入れる
- そのその上にトマトをのせる
- その上にアボカドペーストをのせる
- マヨネーズをのせ、お好みで、ケチャップ、マスタードも加える
- 具が落ちないように気を付けながら大口でほおばる
みんなで食べたコンプレートはとてもおいしかったです。
ちなみに動画はこちら。
もともとは1920年代に、アメリカ帰りのチリ人がレストランを開き、ホットドッグをチリ人の好みに改良して売ったところ大ヒットしたことから始まったコンプレートですが、その定着には、貧しかった社会・安くて身の回りにあるものを詰め込んだという庶民の知恵も垣間見える気がします。
ちなみに、チリにはコンプレートにいれる、魚介ソーセージみたいなフニャフニャしたソーセージ(サルチーチャまたはビエネッサ)とはべつに、肉がじっしりつまったロンガニサというソーセージもあり、こちらはとても美味しいですが、ロンガニサは絶対にコンプレートには入れません。コンプレートはあくまでも、チープなのが美味しいのです。
チリの長細い国土の北から南まで、どこの街角でも食べられるB級グルメ。チリにおいでの際にはぜひ試してみてください。
文・写真・IZUKAWAUSO/提供元・たびこふれ
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