仕事の仕方もオンラインではなく、直接顔を合わせながら作業を進めるほうが明らかに効率的であると感じる人々が増えてきたのは事実です。多分、これ、比較論だと思うのです。コロナ前のリアルが当たり前からコロナ中のリモートが当たり前と変遷し、それが落ち着き、1-2年経った今、双方の長短が見えてきたということかと思います。
山手線の車内広告である金融機関が「対面対応」を売りにしているのを見かけました。高齢者が金融機関の各種サービスを受けるのにネット対応といっても物理的にどうやっていいかわからない以上にウェブが今一つわからないし、不安だし、サービスとしての満足度が高くないことがあるのでしょう。
我々の世代から下はネットリテラシーが高いのですが、今の80代から上の方に同じ感性を要求することが間違いだと思うのです。そして金融機関にしてみれば高齢者ほど高額の預貯金があるお得意様なのに自己都合の効率化を強いてきたとも言えます。
ある小説に「リアル飲み会がオンライン飲み会になった、はじめは週に1回だったがそのうち、月に1回、年に数回と減っていき今回は1年ぶりにやることになった…」という記述がありました。オンライン飲み会ほど盛り上がらないものはなく、酒がうまいと思ったことはありません。
京都で会食が終わった後、ホテルのそばにあったバーに一人でフラっと立ち寄りました。店はほぼ全員外国人に占拠されていたのですがカウンターに常連と思しき日本人女性がひとり、私はその隣に座りました。バーテンさんも忙しそうにしていたので手持無沙汰でスマホを見るともなくいじっていたらその女性の方が声をかけてくれて小一時間ほど話をさせて頂きました。正直、酒がうまかったと感じました。やはり直接人と会話するのが何より面白いのです。スマホじゃ酒のお供にならないのです。
SNSは便利だけどそれに頼りすぎるとやっぱり冷たい感じになるので時として電話してリアルの会話をすることも大事でしょう。年賀状は人と人を繋げる挨拶とされますが、印刷された賀状だけで手書きの一言もなければそのままゴミ箱行きです。同様に北米でよく使うグリーティングカードも同様。主文が印刷され、あとは署名するだけだと味もそっけもなく、二度と見ることはありません。