視覚システムは、周囲の世界をスムーズに知覚するため、時として正確さを犠牲にすることがあります。
たとえば、映画を見るときに、俳優とスタントマンの違いといった微妙な変化に気づかないのは、このためだと考えられます。
それでも、視覚のタイムラグは、雑多な視覚情報に振り回されるのを防ぎ、安定した知覚世界を作り出すには最適です。
もし私たちの視覚を脳が常にリアルタイムで更新していたら、私たちの見る世界は光や影、動きであふれかえる混沌としたものとなっていたでしょう。
※この記事は2022年2月公開のものを再掲載したものです。
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参考文献
Everything we see is a mash-up of the brain’s last 15 seconds of visual information
https://theconversation.com/everything-we-see-is-a-mash-up-of-the-brains-last-15-seconds-of-visual-information-175577
元論文
Illusion of visual stability through active perceptual serial dependence
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abk2480
ライター
大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。
編集者
海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。