これを受けて、自閉症の犬にLSDを適量投与した結果、24時間後から人との脳波活動のシンクロ率が徐々に高まり始めたことが確認されたのです。
この改善は1回の投与で、実験5日目まで持続していました。
LSDが脳波のシンクロ率を高めたメカニズムはまだ不明ですが、この結果はLSDが自閉症の治療薬として有効であることを示唆するものです。
ただLSDはその中毒性や幻覚作用の高さから違法ドラッグとして認定されており、医療目的で使用することは認められていません。
しかし現在、LSDから毒性や幻覚作用を引き起こす化合物を除去し、向精神作用だけを残した試験薬の開発が世界的に進められています。
安全に服用できるLSDが開発されれば、自閉症を治療する新たな方法となるかもしれません。
チームも次のステップとして、自閉症に有効で安全なLSDの開発が可能かどうかを研究する予定です。
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参考文献
New study reveals aligned brain waves strengthen the bond between humans and dogs
https://www.advancedsciencenews.com/new-study-reveals-aligned-brain-waves-strengthen-the-bond-between-humans-and-dogs/
Human-Dog Brain Activity Syncs During Bonding
https://neurosciencenews.com/human-dog-brain-sync-bonding-27645/
元論文
Disrupted Human–Dog Interbrain Neural Coupling in Autism-Associated Shank3 Mutant Dogs
https://doi.org/10.1002/advs.202402493