サファリツアーの車をゾウが襲撃
ケララ州ではゾウの飼育が改善されつつある。一方、急速な都市化と農業の拡大に直面しているため、森林に侵入した人間がゾウと遭遇する事故は後を絶たない。同州内閣は、人間と野生動物の衝突を州特有の災害に指定した。
同様の衝突はアフリカ諸国でも深刻だ。ザンビア最大の国立公園「カフエ国立公園」で2024年3月30日午前9時30分ごろ、野生動物サファリツアーに参加していた米国人女性がゾウに襲撃されて死亡する事故が起こった。死亡したのはゲイル・マットソンさん(80)だ。
事故を撮影した映像がSNSに投稿されて話題となった。マットソンさんらが乗った車をゾウが追いかけてくる。車に急接近したゾウに向かって、ガイドが「ヘイ、ヘイ、ヘイ」と叫ぶ。その後、ゾウは車を横転させたのだった。
マットソンさんはヘリコプターで南アフリカ共和国の病院に搬送されたが、死亡が確認された。
サファリ運営会社「ウィルダネス・デスティネーションズ」によると、ゾウが襲撃した車には、マットソンさんを含む観光客6人とガイド1人が乗っていたという。同社CEOのキース・ヴィンセント氏はABCニュースの取材に応じ、「わが社のガイドは全員、非常によく訓練され、経験を積んでいますが、残念ながら今回のケースでは、地形と植生によりガイドのルートがふさがれ、車を危険な場所から素早く移動させることができませんでした」と語った。
野生動物のテリトリーに人間が足を踏み入れれば、時として大惨事となる。ゾウと人間が良好な共存関係を築くまでには、まだ時間がかかりそうだ。
参考:「Janam TV English」、「WION」、「ABC News」、ほか
文=標葉実則
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提供元・TOCANA
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