祭りの最中に暴れ出した2頭のゾウ
ケララ州では、寺院で飼育されるゾウが暴れる事故が2024年3月21日にも発生した。この日、同州トリチュールにあるスリー・サスタ寺院では、ヒンドゥー教の祭典「プーラム」が開催されていた。
事故によって混乱が生じた様子は、観客によって動画撮影された。装飾を施され、背中に人を乗せた一頭のゾウが急に暴れ出し、ゾウ使いらを振り払って別のゾウに突進した。観客らがパニックに陥る中、2頭のゾウは頭同士をぶつけ合った後、会場を走り回った。この事故で2人が負傷し、車両数台が損傷したという。
同州にある寺院で飼育されるゾウは、宗教儀式での利用を目的とした酷使や虐待が問題視され、動物保護の観点から批判されることも少なくない。これを受けて、同州トリチュールにあるスリー・クリシュナ寺院では、本物そっくりのゾウのロボットを導入した。ロボットを寄贈したのは、米国を拠点とする動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」のインド支部だ。
PETAインド支部は、寺院によるゾウの飼育のほとんどが不法であり、飼育方法も過酷であることを指摘する。結果としてゾウが脱走しようとして暴れ、人間に危害を加えたり、器物を損傷したりするという。