■「屋内なら暑さも控えめ」とはいかず…
続いては、同自販機を実際に設置したMTCに、詳しい話を聞いてみる。
金属およびセラミックスの接合や、精密加工等を主な事業内容とする同社。しかしそういった作業はあくまで「屋内」の工場で行なうため、屋外の作業がメインとなる企業と比べると、夏の「暑さ」も若干和らぐのでは…と感じてしまう。
だが、記者のこの考えは完全に間違っていたことが判明。金属部品の熱処理を行なう際、熱処理が終わった金属を装置から取り出して冷ます工程が発生し、その温度は200℃〜300℃、場合によっては900℃にまで達した金属を取り扱うケースもあるというのだ。
MTC担当者からは「金属の質量が大きいと、当然冷めるのにも時間がかかります。あるケースでは、手で触れるようになるまで3日を要したこともあります」と、驚きのエピソードが…。
ときおり「灼熱」が出現する現場で作業に勤しむ従業員らに、同社では日頃から水分補給の呼びかけを行なっている。そうした背景もあってか、過去に従業員の熱中症が発生したケースはないそうだ。
今回、話題の「おごり自販機」を設置したのは、夏場の水分補給の促進…というよりは、SDGsの観点から社員同士のコミュニケーション増や、福利厚生の一環としての意味合いが大きい模様。
実際に同自販機を利用した同社社員(溶接業がメイン)からは「普段あまり会話できていなかった人とも会話ができるきっかけになっていることは、間違いないと思います。個人的には2人で社員証をかざす瞬間が楽しく、好きな瞬間であると感じています」と、笑顔のコメントが得られたのだ。
前出のように、熱中症予防に積極的な同社工場内には、ウォーターサーバーを複数設置している。しかしこちらの自販機であれば、水分補給により適したスポーツドリンクも入手できるため、とても重宝しているそう。
MTCでは発電、医療・航空宇宙などの他に、スマホ等の電子機器に必須となる半導体関連の事業にも大きく携わっている。サントリーの「おごり自販機」によって、MTCの事業が円滑化され、それによって我々の日常生活がより便利になっている…という考え方は、決して大げさではない。
今回のMTCのツイートをきっかけに、「おごり自販機」に興味を持った企業もいることだろう。
(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
提供元・Sirabee
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