運転中には、周囲の車の動きに注意が向くものです。挙動のあやしい車や、明らかに危険な速度で走る車を目にして、思わず「大丈夫かよ」と困惑したことのあるドライバーは多いでしょう。

しかし反対に、他のドライバーに対して「感心する」という状況には、なかなか出くわすことがないかもしれません。今回はドライバーの方々に、他車を見て「こいつ、できる!」と思った場面について話を聞きました。

あのおじいちゃん、完璧なライン取りだ……

「あのおじいちゃん、完璧なライン取りだ……」運転中に出会った猛者たちとの仰天エピソード
©travel/stock.adobe.com(画像=『MOBY』より 引用)

他のドライバーに感心する瞬間としては、まず「運転技術の巧みさ」を目の当たりにする場面が考えられます。ドライバーの技量がはっきり見て取れる瞬間はそう多くないものの、峠道などの特殊な環境においては如実に違いが表れることもあるようです。

「山道のドライブが趣味なのですが、よく行く峠に完璧なライン取りで走る軽トラがいます。飛ばしている軽トラはそう珍しくないですけど、その車はほんとに、きれいなアウトインアウトで曲がっていくんですよ。

ペースが速いわけではなく、とにかく減速や加速のタイミングもキレイで、走る姿に思わず見とれてしまうほどなんです。後ろから見えるシルエットからすると、結構な歳だと思うんですが……。遭遇するたび、その日はなんだかいいことがある気がしてしまいますね」(30代男性)

長年走行を重ねることで最適化された地元ドライバーの運転は、まるで熟練の職人のように映ることがあります。ただ、慣れない道でペースの速い地元の車に出くわした際には、無理に後を追おうとせず、自分のペースで安全運転に努めたいところです。

さすがに開放的すぎないか?

「あのおじいちゃん、完璧なライン取りだ……」運転中に出会った猛者たちとの仰天エピソード
©tankist276/stock.adobe.com(画像=『MOBY』より 引用)

公道を走っていると、周囲とは明らかに異なるオーラを発する改造車に出くわすことがあります。思わずギョッとしてしまう改造や、「一体何の意味があるの?」と聞きたくなるような改造まで、ジャンルも程度もさまざまですが、やはり「ガチ勢」には少なからず感心してしまうこともあるでしょう。

「家族旅行で高速道路を走っているとき、左車線を走っているジープタイプの車を抜かす瞬間、後部座席の息子が『やべぇ!なんだあれ!』と叫び声をあげたんです。ビックリして見てみると、その車にはドアがなく、しかもドライバーは上裸で、頭にタオルを巻いていて……。

あまりのオープンエアっぷりに、一瞬車内が静まりかえりましたね。今でも高速で似たタイプの車を見ると、ゴクリと身構えてしまいます」(40代男性)

かつての三菱 ジープやスズキの初代ジムニーなど、ごく一部の車種には純正状態でドアがないモデルも存在します。また、オフロード走行を趣味とする人たちのなかには、自然との一体感や軽量化を目的に、ドアを取り外して走行するドライバーもいるようです。

もちろん、純正状態でドアがない車種を除き、ドアを外した車が公道を走行することは基本的にできません。ドアなしの状態で車検に通すためには、転落防止のバーなどを設置したうえで、保安基準を満たすことを証明する必要があるなどハードルがきわめて高く、実際にそこまでしているオーナーは「ガチ勢中のガチ勢」といえそうです。