■ルーツはなんと90年前

残念ながら「ジェイアール西日本デイリーサービスネット」は取材NGとのことであったが、同社の公式サイトを見ると、表記が「キヨスク」で統一されていることに気づく。

そこで「JR東日本クロスステーション」には表記の詳細だけでなく、KIOSKの歴史そのものについて尋ねてみることに。すると、1932年(昭和7年)に設立された「財団法人鉄道弘済会」の店舗営業に、KIOSKのルーツがあると判明したのだ。

同年4月1日より上野駅、東京駅にて営業開始となったこれらの店舗は「鉄道弘済会売店」という名称で知られていたが、72年(昭和40年)に創立40周年を迎えた鉄道弘済会は店舗のイメージチェンジを図るため、愛称を募集。選考の結果、翌年に「Kiosk」(キヨスク)への改名が決定したのだった。

命名の背景について、JR東日本クロスステーション担当者は「キヨスクとはトルコ語を起源とする『あずまや』を指し、『便利で小さな売店』の国際語として広く使われている呼称となります」とも説明している。

そして87年(昭和62年)より、鉄道弘済会のキヨスク営業を中心とする収益事業をJR旅客鉄道会社6社に対応した地域に分割することが決定し、JR東日本管内は「東日本キヨスク株式会社」という名称に。

その後、2007年7月1日には「株式会社JR東日本リテールネット」に社名を変更。そしてこのタイミングにて「キヨスク」の発音を、英単語の発音に近い「キオスク」に変更したというのだ。

担当者が「他社では、発音を変更しておりません」と補足していたように、前出の西日本のほか、東海エリアでも「キヨスク」の呼び名が公式となっているようだ。

そして21年4月より、今回の取材を快諾してくれた「株式会社JR東日本クロスステーション」が誕生。リテールカンパニーが同事業を運営し、現在に至る…というワケだ。

■「エリアごとの回答」に疑問も…

…と、ここで気になるのが、冒頭に登場した調査アンケートの「エリアごとの結果」である。JR東日本クロスステーションの回答を踏まえると、同社の管轄である東北地方全域、関東地方全域、新潟県、山梨県、長野県、静岡県の一部分は「キオスク」の表記で、その他エリアは全て「キヨスク」で統一されているはず。

KIOSKの正しい読み方、予想外の事実に衝撃走る 当然「キオスク」と思いきや…
(画像=『Sirabee』より引用)

そのため、北関東、南関東では約6割が「キオスク」と認識している回答結果はまだ理解できる。しかし「キヨスク」が一般的である北海道や西日本でも、ほぼ半数もの人が「キオスク」の名称で認識しているのだ。

その割には、関東地方と同じ「キオスク」派である東北地方は「キオスク」の認識率が全エリアで最小という結果に。北海道が「キヨスク」であるため、そちらに意識が引き寄せられたのだろうか…。

旅行で他県を訪れる際は、同地の「KIOSK」の呼び名に注目してみると面白いかもしれない。

(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年4月16日~2023年4月18日
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)

提供元・Sirabee

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