クルマにおいて、軽量化は非常に重要なポイント。運動性能はもとより、環境性能も向上する、まさに軽量化は正義なのです。そのために、かつてはアルミパーツをふんだんに使い、軽量化を行うといった手法が見られましたが、最近では減少しています。その理由とは?
目次
アルミパーツの使用がなぜ減少しているのか?
アルミの加工に欠かせないものに関係が…
アルミパーツの使用がなぜ減少しているのか?
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かつて、エンジンやボディにアルミ合金が奢られたクルマが散見されました。これは軽量化がすすめられていることを意味し、ハイスペックモデルの証でもありました。
アルミニウムは、鉄の約1/3ほどの重量であり、鉄よりもやわらかい特性があるため鋳造しやすく、複雑な形状へも加工もしやすいというメリットがあります。加えていえば、耐腐食性に優れ、クルマを構成する素材に適したものなのです。
しかし、近年ではアルミパーツの使用が減少してます。その理由を考えてみましょう。
アルミの加工に欠かせないものに関係が…
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まず、アルミニウムを精製する工程をご紹介します。
1、アルミニウムの原料は、ボーキサイトと呼ばれる赤褐色の鉱石で、このボーキサイトを、か性ソーダ液で溶かしてアルミン酸ソーダ液をつくり、そこからアルミナ分を抽出します。
2、次にアルミナを、溶融氷晶石の中で「電気分解」することによりアルミニウム地金を製造。
3、電気分解でできたアルミニウム地金を原材料として、圧延・押出・鍛造・鋳造などの加工を行う。
参照元:日本アルミニウム協会HP
さて、この工程のなかで、非常に重要なのが「電気分解」です。この際に非常に多くの電力が必要となるため、工業用電気料金の高い日本では、どうしてもアルミニウムを精製するのに電気料金がかかってしまう、ということになるのです。
ちなみに、アルミパーツを多用するホンダ NSXはアメリカでの生産を行っていますが、理由は電気代を削減するため(アメリカは日本の約1/3ほどの工業電気料金)とのことです。
材質としては非常に優れているものの、日本では電気料金がかかりすぎるというのがアルミパーツの抱える大きな問題といえますね。