怪魚とは、生息数が少ないことや限られた地域にしか生息していないなどの理由から希少性が高いとされる魚のことです。
日本では、特に体長が1メートル以上になるアカメ・イトウ・ビワコオオナマズは「日本三大怪魚」と呼ばれ、多くの釣り人が憧れる巨大魚となっています。

世界中を探しても日本の一部にしか生息しておらず、その生体は謎に包まれている点も多くあるとされます。

今回はそんな釣り人たちを魅了する、日本三大怪魚の生息地や生態などについて解説します。

日本三大怪魚:アカメ

【日本三大怪魚】それは希少性の高い釣り人たちの憧れの魚たち!!
(画像=『FUNDO』より 引用)

アカメは、スズキ目アカメ科に分類される大型の肉食魚です。

生息地

西日本の太平洋沿岸に生息する日本の固有種で、主に高知県と宮崎県を生息地としています。
比較的沿岸の浅い海域に出現し、塩分濃度が低い淡水域や、川が海に淡水を注ぎ入れる河口部の汽水域、そして内湾で確認されています。

これらの場所に出現する理由として考えられる説は2つあります。

1つは、雨上がりの増水時に小魚を追って侵入するため。
そしてもう1つは、体に付着した寄生虫を海水の塩分濃度を変化させることで除去するためだといわれています。

個体数が少なく、高知県以外では「絶滅危惧種IB類」に指定されているため、捕獲は禁止されています。
唯一アカメ釣りが楽しめる高知県でも、キャッチアンドリリースを原則としています。

大きさや外見

成魚になると全長1m以上にもなり、淡水・汽水域の魚では国内最大種だといわれるアカメ。

外見は、成魚と幼魚で異なります。
成魚は腹部が銀白色で背部が灰褐色。
それに対し、体長約25cmまでの幼魚は全体的に黒褐色で、黄白色の縦線や横線、斑点模様があります。

特徴

稚魚の出現時期から推測すると、アカメの産卵時期は6~8月と予想されています。
しかし産卵行動や初期の生活史については明らかになっていません。

暗所で光が反射した際、目が赤く光ることが特徴です。
高知県の呼び名である「アカメ」は、ここから由来しています。

日本三大怪魚:イトウ

【日本三大怪魚】それは希少性の高い釣り人たちの憧れの魚たち!!
(画像=『FUNDO』より 引用)

サケ目・サケ科・イトウ属に分類される巨大な淡水魚で、釣り人の間では「幻の魚」と呼ばれるほど希少性が高い怪魚です。

生息地

北海道の尻別川より北側の水質がキレイな河川に分布しており、18度以下の冷たい水温で勾配の緩やかな河川を好みます。
稚魚の成育は氾濫原(洪水時に氾濫する範囲にある平野)が必須ですが、降海後の生活史は明らかにされていません。

かつて岩手県・青森県界隈で生息していたイトウは絶滅しており、生息数が減少していることから「絶滅危惧IB類」に指定されています。
釣る際にはキャッチアンドリリースを原則とし、春の産卵期には釣り自体を自粛しましょう。

大きさや外見

日本最大の淡水魚で知られるイトウの体長は1m~1.5mにもなります。
大きいものだと2m近くなることもあり、過去最大記録として残っているのは十勝川下流で捕獲された体長2.1mです。

性成熟を迎えるのは、メスは6~7歳で約55cm、オスは4~6歳で約45cmの時期だといわれます。
元々の体形が細長い上に、早春に産卵した後は、やせ細った個体が多く見られるため「糸のように細い魚」といわれ、「糸魚」と書いて「イトウ」と名付けられました。

特徴

サケ科の魚の中では長命です。

鮭の寿命は一般的に3~7年で、雌は産卵すると死んでしまいます。
対してイトウは15~20年以上の寿命で、一生のうち何度も産卵をくり返します。

しかしイトウの成長スピードは非常に遅く、1mの大きさになるまで10年かかるといわれるほどです。
成長が遅いため産卵可能な個体になるまで時間がかかることも、数を増やすことが難しい理由の一つです。

獰猛な肉食魚で、成魚は他の魚はもちろん、カエルやネズミなども食べてしまうほどです。
北海道の先住アイヌ民族には、なんとヒグマを飲み込んだという伝説もあるんだとか。