“史上最大のUFO事件”とされている「ロズウェル事件」の14年前にイタリアで起きていたとされる“史上初のUFO墜落事件”に新たな展開か――。この事件の直後、ムッソリーニ大統領によって極秘のUFO調査組織が創設されていたというのだ。
“史上初のUFO墜落事件”直後に大統領の緘口令か
先月には元米空軍将校のデビッド・グルシュ氏がアメリカ当局はUFO(※)の事故機とエイリアンの遺体を回収して分析していることを違法に隠蔽しているという発言を行って注目を集めているが、回収されたUFOのうちの1つには1933年にイタリア北部に墜落したUFOがあるという。これが事実であれば記録に残された“史上初のUFO墜落事件”となる。
(※) UFO(Unidentified Flying Object:未確認飛行物体)は、説明のつかない航空現象をすべて含むが、現在は「宇宙人の乗り物」という意味で用いられることが多い。そのため、現在アメリカ軍では「宇宙人の乗り物」という意味合いが強くなったUFOに替えて、説明のつかない航空現象に対し、「UAP(Unidentified Aerial Phenomena:未確認航空現象)」という呼称を採用している。最初のUFO目撃談とされる1947年の「ケネス・アーノルド事件」で、実業家のケネス・アーノルドが目撃した飛行物体について「水の上を滑る円盤のように」動いていたと描写したことから、宇宙人の乗り物を「空飛ぶ円盤(flying saucer)」と言うこともある。
このUFOはファシスト独裁者ベニート・ムッソリーニによって秘密裏に保管され、その後第二次世界大戦末期に米軍に没収されてアメリカに輸送されたとグルシュ氏は説明している。そしてこの一連の動きには「バチカンが関与していた」と主張する。
そしてこの件を1996年から調査しているイタリアのジャーナリストでUFO研究家であるロベルト・ピノッティ氏は今回、1933年6月13日に北イタリア・ロンバルディア州で起こったとされるUFO墜落事件と、このUFOの技術を研究するために当時のムッソリーニ大統領によって設立された極秘プログラムの証拠文書を入手したことを報告している。
ピノッティ氏によれば、これらの文書はプログラムに携わった親戚から譲り受けた匿名の人物がピノッティ氏に送付したものであるという。
文書の1つは1936年8月22日付の政府機関レターヘッド付きの紙に手書きされたメモだが、そこにはシリンダー型のUFOの絵が描かれている。
また1933年6月13日付けのイタリア語での2通の電報も含まれており、そのうちの1通は「未知の航空機による国土への着陸疑惑」に対する「絶対的な沈黙」を命令していた。
2通目の電報には、「当該ニュースを掲載した新聞社へのあらゆる手がかりの即時訂正が命じられている」と書かれていた。さらに「性質も起源も不明の航空機」のニュースを報道するジャーナリストに対して「即時逮捕」と「極度の罰則」を与えると脅迫めいた文言も記されていたのである。
2通ともムッソリーニ大統領からの「個人的な命令」によるものだということだ。つまりこの“史上初のUFO墜落事件”の直後に大統領によるきわめて厳格な緘口令が敷かれていたことになる。