日産 シルビア(初代・1965年)
ガレージに収まったこのクルマの前にテーブルと椅子を置き、眺めながら飲むウイスキー(決してキンミヤの焼酎で作ったお茶割りとかではナイ)は美味しそう…リメイクで何もかもそのままじゃなくて構わないものの、往時の雰囲気をリメイクできるかどうかが、一番大事 日本にこんな美しいクルマがあったのか…とため息をつきたくなる意味では次に紹介するいすゞ 117クーペと同様ですが、ギア時代のジウジアーロがデザインしたわけでもなく、ベルトーネっぽい雰囲気はあるものの、デザイナーはあくまで日本人というのもポイント。
手作業で継ぎ目を消したクリスプ・カットはまさに走る宝石、モーターショー出展時は「ダットサンスポーツ1500」だったものの、車格が違うだろうと当時は高級車向けブランドだった「ニッサン シルビア」を名乗ったエピソードも魅力的です。
中身はあくまでSP310フェアレディ、つまりトラックベースのシャシーにチューニングした1.6リッターOHVエンジンを載せたジャジャ馬的な乗り味になるはずですが、そんな雰囲気は全く感じさせません。
ニッサンが東京モーターショー2013に出展したコンセプトカー、「IDx」シリーズを見たメディアは「ケンメリの再来」と書きたてましたが、個人的にはむしろ初代シルビアの現代的解釈にも見えました。
何しろスポーツカーに使えそうなFRのプラットフォームは、現行のRZ34フェアレディZとV37スカイラインが日産の内燃機関では最後になりそうですが、BEVの時代になればいろいろと融通は効くようになりますし、e-POWERでも構いません。
この「走る宝石」をイメージリーダーとして復刻してくれたら、初公開となる東京モーターショーなり東京オートサロンに絶対見に行きます。
いすゞ 117クーペ初期型(1968年)
規格型ヘッドライトになってしまった後期はもちろん、丸目の中期もハンドメイドの初期型とは雰囲気が全くちがって不思議だが、そのミステリアスなところが最大の魅力とも言えて、リメイクもやはり職人の仕事が必要かも イタリアンデザインを採用した国産車の傑作ですね…しかも、ギア時代のジウジアーロがデザインしたボディを生産ラインで作る技術が当時のいすゞにはなかったものの、かつてプリンス スカイラインスポーツも作ったイタリアの職人の指導を受け、手作業で作りました。
初期型が「ハンドメイド」と呼ばれる所以ですが、中期型以降は機械生産するついでにデザインもだいぶ変わり、リアは別なクルマのような?フロントもだいぶ雰囲気が変わったものの、現代の技術を駆使すれば、ハンドメイドの初期型もだいぶ再現できないでしょうか。
もちろん、この先も乗用車生産に復帰しないであろういすゞに、117クーペのセルフリメイクなど期待するのは無理筋と承知ですが、それならいっそFRならベースは何でもいいですから、光岡やロッキーオートあたりで何とかならないかなと思います。
初代シルビアと117クーペ初期型は、乗って注目を浴びるのもいいですが相応のドレスコードを求められそうですし、間違ってもFRだからといって、ドリフトなんかさせちゃいけません。
本物でもリメイク版でも、そのクルマを置いてもサマになるガレージが1階にある家にでも住めたら、眺めながら優雅にコーヒーかウイスキーでも飲んだら美味そうです。
あるいは、どこか絵になる場所で写真を撮るべく出かけたり、本物の117クーペとランデブー走行する機会があれば、ドローンでも並走させてかっこいい動画を作りたくなりますね。
もちろん、滑らかにうねるアウトライン(輪郭)や、前後の透過類は117クーペ初期型に準拠してほしいと思います。
今回は3台紹介しましたが、全て現代でも通用しそうなデザインであり、こんな素晴らしいクルマを60年ほど前に作った先人たちへの敬意を、忘れてはいけません。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
【関連記事】
・【新車情報カレンダー 2021~2022年】新型車デビュー・フルモデルチェンジ予想&リーク&スクープ
・運転免許証で学科試験の点数がバレる?意外と知らない免許証の見方
・今一番危険な車両盗難手口・CANインベーダーとは?仕組みと対策方法
・SNSで話題になった”渋滞吸収車”とは?迷惑運転かと思いきや「上級者だ」と絶賛
・トヨタ 次期型ノア&ヴォクシーに関する最新リーク情報すべて