ビジネスなどの社交場にはその場の服装を選びます。これを「TPO」なんていいますよね。これから暑くてどうしようもない夏シーズンですが、ライダーならライダーのT・P・Oをわきまえた服装でバイクライフを楽しみましょう。

※ ”TPO”とはTime(時間)Place(場所)Occasion(場合、機会)の略

半袖ライダー体験してみた結果・・・「不安感」が半端ない。

半袖スタイルは医学的にNGの理由

 夏用ジャケットを着ていても暑い日は「着ていられない!」と思うことがあります。仮に装備を外して半袖で運転して風を浴びればに暑さから解放されるでしょう。しかし、その「半袖スタイル」には医学的に大きな落とし穴があるという事をご存じでしょうか。

1 日焼け=火傷

 「日焼け」といえば軽い症状に感じるかもしれませんが、日焼けは軽度から重度まで、症状の幅が広いという事を知っておきましょう。ベテランライダーは次の事を意識して夏のツーリングを楽しんでいるのです。

① 日焼けを甘く見ないこと

 半袖のツーリングは長時間にわたり紫外線を浴び続けるため、広範囲に炎症し、重症化に至るとのこと。赤く腫れた上がり痛みを感じる日焼けは、もはや「火傷」です。また日焼けによる炎症は衣類と皮膚がこすれ合うことで運転を妨げたり、脱水症状が進行、体温が高くなりすぎて熱中症を併発することもあります。身体機能を正常に保つことは判断ミスや操作不良防止になります。このため、長袖は極めて必要であると言えます。

② 風を受け続けると痛みを感じにくい

 暑い日は熱気と汗によりジャケットを着ていると相当な不快感を感じるでしょう。当然のことながらバイクにはエアコンが付いていません。一方、走行中の風は涼しく心地良いかもしれませんが、「涼」を求めて上着を脱ぐことはお勧めできません。半袖スタイルは皮膚の表面だけ冷やされ、日焼けの「かゆみと痛み」を感じにくくなります。ツーリング終了後に後悔しないように日焼け(火傷)から身を守りましょう。

バイク乗車中は身体の異変に気付かない!?

確かに風が当たって気持ちいい。しかし、その場しのぎに過ぎません。

熱中症対策は「深部体温」の調節

 バイクやクルマに例えるなら、車体ボディを「身体」、オイルやラジエター液を「血液」、エンジンを「心臓、その他臓器」と置き換えてみましょう。車体ボディ表面を冷却してもエンジンは冷却できません。ラジエター装置に風を当て、冷やされた冷却液(体液)をエンジンブロック内に循環させることが重要です。

エンジンと身体は仕組みが違うけど、どこか似ているかも?

① 熱中症に対する身体機能とは

 人間の身体は、体温が上がっても汗や皮膚温度が上昇することで体温が外へ逃げる仕組みとなっており、体温調節が自然と行われています。半袖による運転は、皮膚温度が走行風により冷却され瞬時に乾燥してしまいます。つまり、汗による体温調節が行われず熱が体内にこもってしまうことになります。

② 脱ぎたい気持ちは辛抱

 夏用メッシュジャケットとは言えど、ヘルメットやグローブ、各プロテクターによりライダーの身体は熱がこもりやすい条件が揃っています。脱ぎたい気持ちはわかりますが、地肌が露出する半袖スタイルは皮膚表面が冷却されるだけに留まります。深部体温(血液、内臓等)の低下にはならず自覚がないまま熱中症が進行することになります。

私の小言

寒い日は、短時間のシャワーを浴びてもすぐに体が冷えてしまいますが、お風呂に浸かると身体の芯から温まり心地良いです。これを逆に考えることで半袖スタイルの問題点が浮き彫りになるのです。