前線からの守備の段取りを整理できなかったこと、そして基本布陣[3-1-4-2]の中盤の底を務めたMF田中聡の斜め後ろを新潟FW長倉に突かれ続けたことで、湘南の守備は崩壊。前半8分にも長倉が田中の背後でボールを受け、ペナルティアーク手前からラストパスを送る。これに反応した新潟FW小野裕二がシュートを放ち、先制ゴールを挙げた。

前半32分にもフリーの稲村から長倉への縦パスが繋がっており、ここから新潟の遅攻が始まっている。その後ボールが右サイドから左サイドへ渡ると、DF橋本健人のラストパスに長倉が反応。同選手が湘南DFキム・ミンテをかわした後にシュートを放ち、新潟に追加点をもたらした。

後半も新潟の優勢は変わらず、同30分には稲村の縦パスを受けたFW谷口海斗(左サイドハーフ)がミドルシュートを放ち、これが湘南のゴールに突き刺さる。この時点で試合の趨勢が決した。

湘南にとって苛立ちが募る試合展開のなか、後半32分に得たコーナーキックでルキアンが相手MF宮本を蹴りつけてしまい、上村篤史主審よりレッドカードを突きつけられる。アディショナルタイムに途中出場のMF阿部浩之がDF畑大雅のクロスにヘディングで合わせゴールを挙げたものの、反撃が遅すぎた。

今節終了時点で、17位湘南とJ2降格圏の18位ジュビロ磐田との勝ち点差は僅か1。これに加え、磐田の消化試合数は湘南よりもひとつ少ない(湘南30試合、磐田29試合消化)。また、ルキアンの退場理由となった乱暴な行為(選手等に対する暴行)は、現行の日本サッカー協会懲罰規定に照らし合わせれば最低3試合出場停止処分に該当する。今季J1リーグで11得点を挙げている同選手を複数試合欠くとなれば、湘南にとって大きな痛手となるだろう。同クラブにとって今節の黒星は、今まで以上に重くのしかかりそうだ。