以上の理由から経営者という立場の人が「仕事で使うスマホはどれがいいか?」と考えた場合に「とりあえず最新のiPhoneを買っておけばハズレはない」となる。自分は地元の年配経営者から「ITに疎いがスマホはどれを買えばいいか?」と購入相談を受けた時は、そのように答えている。
セキュリティ面そして自分自身も意識しているのだが、大きな違いは両者のセキュリティである。
サイバーセキュリティ情報を取り扱うメディアCynbernewsの調査で次のような結果が示された。スマホが外部のサーバーへクエリ(問い合わせ)を送信先はiPhoneが60%をアップルに送ったのに対して、Androidは24%をグーグルに送信し、残りはサードパーティへ送られている。アプリや情報のアクセスについてもロシアや中国といった米国と非友好国へ問い合わせをした回数はiPhoneが少ない。
2024年7月、米商務省はロシアのウイルス対策ソフトのカスペルスキーに対して、国家安全保障の懸念を理由に取引禁止措置を講じたばかりだ。これは必ずしもセキュリティ面でAndroidが劣っているということではなくあくまで一つのデータに過ぎないが、セキュリティを考慮する上で知っておくべき事実ではないだろうか。
また、昨今ランサムウェアの被害報告が相次いで報告されているが、実はPCだけでなくスマホも対象になりえるという話もセキュリティソフト会社から報告されている。特にソーシャルハッキングを受けて、得体のしれないアプリをインストールしてしまい、促されるままに操作をしたことで資産を失うという問題も起きている。
その点でいえば、iPhoneは全般的にセキュリティリスクはAndroidより小さい。App Storeで公開されているアプリは、1つ1つがApple社によって検証プロセスを通過したものだけである。さらにiPhoneはすべてのサードパーティアプリはサンドボックスと呼ばれる隔離環境で動作する。このため、アプリ同士やシステムの重要な部分にアクセスすることが制限されている。これにより、セキュリティリスクが軽減され、悪意のあるアプリがデバイス全体に影響を与える可能性を防いでくれるのだ。一方でAndroidは拡張性や自由度は高いものの、あくまでセキュリティ面だけでいえばiPhoneだろう。