社会的なステータスが高いというイメージを持たれにくい面も

 では、スーパーゼネコンの社員たちが、他の業界の大手企業と比べていまいち社名の認知度が低いと感じることはあるものなのか。

「たとえば大規模な商業施設がつくられる際に『どこどこの大手不動産会社が手掛けました』といったかたちで三菱地所や三井不動産、森ビルなどのディベロッパーの社名が大きく取り上げられることはあっても、そこから発注を受けて施工を行う建設会社の社名は出てきません。基本的にはBtoBの裏方企業なので、『大林組』『竹中工務店』という社名を聞いても何をやっている会社なのかピンとこないという人はいるかもしれません。

 また、一般的に大企業の社員と聞くとスーツを着て身ぎれいな格好でオフィスで働くというイメージがありますが、ゼネコンは入社すると大半はまず現場監督として各工事現場に配属され、職人さんたちと同じく作業服を着て現場で働くことになるので、社会的なステータスが高いというイメージを持たれにくい面はあるかもしれません」(同)

 最後に、スーパーゼネコンへの就職はお薦めなのかどうかを聞いた。

「中で働く人から、生の声を聞いた上で、それでも働きたいと思えるのであればおすすめします。しかし、『大手ならどこでもいい』『どのような働き方なのかイメージができていない』と言う方には個人的にはお薦めしません。時間外労働の上限規制が始まっても、現場によっては長時間労働の可能性もゼロではなく、現場という緊張感のある環境で、メンタルを病んでしまうというケースも少なくありません。

 また、年齢によっては異業種への転職が非常に難しく、一度建設業界に入ってしまうと、建設業から抜け出すことが難しくなるかもしれません。スーパーゼネコンの施工管理職は、そもそも給与水準が高いため、他社の施工管理職への転職で給与アップを図ることは現実的ではありません。特に20代では残業代を含めた年収が同世代の平均所得と比較するとかなり高水準です。そのため、同等の給与で転職先を探すことは困難となります。ただし、大手デベロッパーなどへ転職する場合、一時的に給与が下がることもありますが、将来的に給与アップにつながる可能性もあります」(同)

(文=Business Journal編集部、協力=山本悠太/加藤装飾株式会社)

提供元・Business Journal

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