(黄色がJUICEの通過するルート)
到着後はカリスト・エウロパ・ガニメデの順に数年かけて探査を行い、2035年に全体のミッションを終了する予定です。
その探査の前にESAの研究チームは、JUICEに搭載した探査機器が正しく機能するかどうかのテストも兼ねて、地球に向けた観測ミッションを行うことにしました。
これでもし地球から”生命の痕跡”が見つからなければ、JUICEは木星系に行っても正しい仕事ができないことを意味します。
果たして、JUICEに生命を見つける能力はあったのでしょうか?
地球の大気に「生命の痕跡」を検出!
研究チームは今回、JUICEが8月20日に地球近傍をフライバイしたタイミングで、地球に向けた観測テストを実施しました。
ここではJUICEに搭載された2つの機器「MAJIS(可視・近赤外撮像分光計)」と「SWI(サブミリ波観測器)」がメインに使われています。
これらは共に地球の大気中に含まれる化学成分を調べて、生命を形作るのに必要な材料(元素)が見つかるかどうかをチェックするものです。
もしそれらの化学成分が検出されれば、その惑星(衛星)は「生命が存在しうる、あるいは居住可能である」ことを指し示します。
そしてJUICEで地球を観測した結果、見事に地球には”生命の痕跡”が存在することが確認できたのです。
今回の観測で検出されたのは、一般に「CHNOPS(シュナップス)」と呼ばれる6種類の元素でした。
CHNOPS(シュナップス)とは、炭素(C)・水素(H)・窒素(N)・酸素(O)・リン(P)・イオウ(S)の6つの頭文字を繋いだ名称で、これらは生命を形作る化学成分として必須の元素とされています。