そうしたサービスを支える人工知能(AI)活用型のプラットフォームを開発し、日本でも利用されているカナダのSpareがこのほど4,200万カナダドル(約44億円)を調達した。プラットフォームの提供をさらに促進するとともに、今後は身体が不自由な人向けのオンデマンド交通にも力を入れていくという。
オンデマンド乗合交通ならではの柔軟な運行計画を支援
カナダ西部バンクーバーに本社を置くSpareは2015年創業のスタートアップ。利用者のニーズに応じて乗車を提供するオンデマンド乗合交通のライドシェアリングアプリを手がけ、事業者に提供している。
同社のAIプラットフォームは運行状況をリアルタイムに把握し、柔軟な運行計画を立てることが可能。事業者がサービスを立ち上げてユーザーに乗車を提供し、事業として機能させるためのコアな部分をサポートする。
同社によると、従来とは異なるテクノロジーを活用したオンデマンド交通に対する需要は世界的に増えているという。そうした需要に対応しようと、同社はこのほどシリーズBラウンドで追加資金を確保した。
同社のプラットフォームはすでに北米をはじめ、欧州やアフリカでも利用されている。また、日本では三菱商事との合弁会社「スペア・テクノロジーソリューションズ」が2019年に設立された。日本での最初の導入例は、三菱商事と西日本鉄道の合弁会社「ネクスト・モビリティ」が福岡市で展開しているオンデマンドバスだ。