欧州連合(EU)の今年下半期議長国ハンガリーのオルバン首相は2日、ウクライナの首都キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会見した。オルバン首相にとって、ウクライナ訪問は2022年2月のロシア軍のウクライナ侵攻後初めて。オルバン首相はEU加盟国の中でもロシアのプーチン大統領との友好関係を有し、欧米諸国のウクライナへの武器供与には強く反対してきた。それだけに、オルバン・ゼレンスキー会談の行方に関心が注がれた。
ハンガリーの国営MTI通信によると、「オルバン首相はゼレンスキー大統領と会見し、戦争の停戦について話し合った」という。会談後の共同記者会見ではオルバン首相は「戦争を早期停戦してロシアとの和平交渉に乗り出すべきだ。時間は限られており、和平交渉に迅速に取り組むべきだ。EU議長国として欧州が直面している課題の解決に貢献する考えだ」と述べている。それに対し、ゼレンスキー氏は「わが国には公正な平和が必要だ。ウクライナに対する欧州の支援は欧州全体にとっても非常に重要だ」と強調した。主権を蹂躙し、領土の20%以上を不法占領しているロシア軍の撤退がロシアとの停戦交渉の前提だという従来の「平和への公式」を繰り返した(「ゼレンスキー氏の愛する『平和の公式』」2023年12月15日参考)。
ゼレンスキー大統領はオルバン首相のキーウ訪問について、「ウクライナと欧州全体に公正な平和を取り戻し、既存の困難を解決し、欧州の強化、経済、社会の成長のための新たな基盤を提供することの重要性を示す訪問だ」と強調し、ハンガリーがウクライナ人を支援し、わが国に人道援助を提供してくれたことに感謝した。また、スイスで開催された第1回「ウクライナ和平サミット会議」にハンガリーが参加し、最終コミュニケを支持したことにも言及した。