MÉXICO, CARTEL SINALOA.07-09-2024.

トランプ前大統領はメキシコを攻撃すると選挙キャンペーンで語った

トランプ前大統領は今回の再選を狙っての選挙キャンペーンで、メキシコとの国境に壁を建設すると、前回キャンペーンと同様に繰り返し主張している。更に、それがメキシコ政府で受け入れられない場合は輸入関税を設け、メキシコの領土に米軍を派遣して麻薬組織を攻撃することを誓っている。

そして、トランプ氏が主張しているのは、「問題なのは、メキシコは麻薬組織によって国家機能が硬直していることだ。なぜなら大統領を僅か2分で殺害できるくらいの勢力をもっているからだ。麻薬組織がメキシコを操っている。この状態を改善するか、それとも彼らを攻撃するかのどちらかだ」とフォックス・ニュースのインタビューで語った。

実際、彼が大統領職を離れたあと、彼の所有しているフロリダのマーア・ラゴの別荘で麻薬組織を攻撃するために分析されていた書類がFBIによって見つかっている。(7月25日付「ABC」から引用)。

それに対して、今年10月に任期満了で退任することになっているメキシコのロペス・オブラドール大統領は、「トランプ氏は友人である。国境を封鎖したり関税を設けたりすることができないことを説明した書面を彼に送る意向である」と語った。

シナロアはメキシコ国内で17万5000人を雇用

トランプ大統領が執拗に麻薬組織を退治することを主張しているのは、麻薬による最大被害国が米国だからである。そして、米国と陸続きのメキシコがその最大の供給国である。

メキシコの麻薬組織の中で、米国の麻薬市場の6割を制しているのがシナロアだ。シナロアの親分チャポ・グスマンは無期懲役で米国の刑務所に収監されている。そこで彼は24時間点灯がつけぱなしの独房に収容されている。そしてつい最近、シナロアのナンバー2だったマーヨ・サンバダも遂に逮捕された。