音楽を楽しむ際、気軽に聴ける「Spotify」を使っている人は少なくないでしょう。しかし意外と「CDと比べてSpotifyはどれくらい音質が良いのか、悪いのか」を意識していない方も多いのでは。
仮にSpotifyの音質がCDよりもはるかに悪いのであれば、好きな楽曲であればサブスクで聴くだけではなく「CDでも買って、たまにはCDコンポで聴く」のも良いでしょう。
今回は「意外と知らないCDと比べてSpotifyは音質がいいのか、悪いのか」を解説します。結論から言えば基本的にはCD音源に遠く及ばないものの、Spotifyプレミアムの最高音質はかなりの高音質。将来的なロスレス及びハイレゾへの対応が強く期待されるのが、Spotifyの現状です。
CD音源は「ロスレス」
まずCD音源は44.1kHz/16bitで、CD音源相当の音楽ファイルは一般的に「ロスレス」と呼ばれます。不可逆圧縮音源であるMP3やAACと比べ、音声データが圧縮されないため圧縮による「ロスがない」状態です。
なお、「ロスレス」よりも高い音質なのが「ハイレゾ」。24bit/44.1kHz以上のサンプリング周波数を持ちます。ロスレス(CD音源)やハイレゾは「非圧縮音源」でファイル形式はWAVやAIFFが主流となっています。
Spotifyの「音質」について
一方Spotifyは音楽ファイルの形式として「AAC」を採用しています。AACはMP3と並んで「不可逆圧縮音源」の代表格です。
不可逆圧縮音源は、人間の聴覚に基づいて「聞き取りにくい」と判断される部分を捨てることで、ファイルサイズを縮小しています。そのため圧縮自体を行わないロスレスと比較して音質は劣化し、さらに非圧縮形式に戻しても音質が戻ることはありません。
なおSpotifyの公式サイトによると、Spotifyの無料プランの音質は最高で160 kbit/秒。有料会員(Spotify プレミアム)の場合は最高で320 kbit/秒。ロスレスであるCD音源に対して「不可逆圧縮音源」であることから、Spotifyはプレミアムの最高音質であろうと「CD音源より音質が悪い」と言えます。
もしもロスレスや、CD音源を上回る「ハイレゾ」で音楽を楽しみたいならばロスレスやハイレゾに対応しているサブスクリプションサービスを利用するのが望ましいでしょう。代表格には「Apple Music」が挙げられます。