「衛星放送」に動画配信サービスに対する優位性はあるのか

「プロ野球」や「サッカー」などスカパー!の主なコンテンツを題材に、料金や動画配信サービスとの比較をいくつか行いました。特に「サッカー中継」に関してはDAZNやU-NEXTへの優位性が「あえて言えば安価」以外に見当たらず寂しい状況です。

とはいえ、そもそも「衛星放送」であるスカパー!には動画配信サービスにはないいくつかの優位性があります。衛星放送ならではの強みをいくつか見ていきましょう。

「放送」であるためインターネット回線に依存しない

ここまでDAZNやU-NEXT、タカラヅカ・オンデマンドといった動画配信サービスとスカパー!を比較してきましたが、そもそも両者には「インターネット配信」と「放送」という大きな違いがあります。

そもそも、「インターネット配信」はインターネット回線を利用して、サーバーから視聴者の端末へコンテンツを送信するもの。一方で「放送」は電波を利用して、一斉に多数の受信機へコンテンツを送信するものです。

つまり「配信」の場合はインターネット回線が必要ですが、「放送」は回線に依存しません(※衛星放送を光回線で視聴する場合を除く)。山間部などネットが繋がりにくい環境で安定的にコンテンツを楽しみたい場合は、インターネット回線を介した配信よりも「放送」の方が適している場合があるでしょう。

難視聴地域にも放送が届けられる

衛星放送には「難視聴地域」にも、放送を届けやすいというメリットがあります。「難視聴地域」とは、離島や山間部など付近に送信所がなく、地上波放送が受信できない地域のこと。

衛星放送は地上波放送が届きにくい山間部や離島などの難視聴地域でも、安定した受信が可能な場合があります。たとえば2011年の地デジ移行の際、地デジ難視聴地域への対策事業としてBSを活用した地デジ難視対策衛星放送が行われたケースもありました。

・難視聴地域である
・インターネット回線が脆弱な地域でもある
といった地域にとっては、衛星放送は貴重な放送手段になり得ます。

録画

スカパー!の録画はレコーダー内蔵のHDDや外付けHDDなどで可能。一方、動画配信サービスのコンテンツは基本的に録画することができません。仮に「衛星放送」「動画配信サービス」で全く同じコンテンツを放送していたとしても、「録画をしたい」ならば衛星放送で視聴して録画する方が適しているケースも多いでしょう。

チャンネル単位での視聴

動画配信サービスでは、ABEMAなど一部を除き「チャンネル」という形ではコンテンツを提供していないことも目立ちます。複数チャンネルをザッピングして「たまたま面白い番組と出会う」という出会いを提供し続けている点にも一定の意義があります。

結局、スカパー!の契約は「不要」なの?

スカパー!はインターネット回線に依存することなく、安定的に専門性が高い多チャンネルのコンテンツを見たい方には依然として有意義で「不要」とは言えません。また難視聴地域の方などにとっても「安定的に視聴できる」という点で、間違いなく有意義と言えるでしょう。

一方「衛星放送」としてではなく、光回線を介して視聴する場合は「インターネット回線を利用している」点で動画配信サービスとの差が薄れるのも事実。(なお光回線テレビはネットとテレビ放送では異なる帯域を利用するためテレビ視聴によってネットが遅くなることはありません)。

するとU-NEXTやDAZNといった配信サービスをテレビの大画面で見ることが当たり前になったいま、スカパー!を契約し続ける意味は薄れているとは言えるかもしれません。

文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ

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