NetflixやAmazonプライム・ビデオ、スポーツ関連ではDAZNといったといった動画配信サービスの普及により、長らくスカパー!を契約しているものの「契約している理由が大きく薄れているのではないか」「解約すべきか」と迷う方もいるのではないでしょうか。

事実として近年、スカパー!の契約者数は大きく減少傾向にあります。実際、衛星放送であるスカパー!に動画配信サービスに対する優位性はあるのでしょうか。

スカパー!の契約者数は大きく減少傾向

スカパーJSATグループが発表しているデータによると、スカパー!の年度末加入件数は2010年度が3,725件(※)だった一方、2023年度末は2,740件(※)。つまり、13年で985件(※)減少したことになります。(※)単位1,000件

スカパー!の契約はもう不要? 衛星放送に動画配信サービスに対する優位性はあるのか
(画像=『オトナライフ』より 引用)

表の年度別加入件数推移は「スカパー!」公式サイトを基に筆者が作成

スカパーJSATホールディングスの米倉英一社長は2024年4月18日の東京経済ONLINEのインタビューで「今後の会員数は減る一方で決して増えたりはしない。見栄を張っても仕方がない」という見解を、赤裸々に述べています。

BSスカパー!は2022年に閉局

たとえば「BSスカパー!」(2011年開局)は、2022年にその放送を終了しています。もともとBSスカパー!は「BAZOOKA!!!」「モノクラ~ベ」など多くの人気番組を放送しており、地上波ではできない番組作りで人気を集めていました。スカパー!契約者にとっては追加契約なしで視聴可能なことも人気の理由でした。

スカパー!への加入促進や解約防止といった役割を担う放送でもありましたが、2022年の放送終了時には「一定の役割を終えたと判断した」との見解を広報が発表しています。2011年から2022年までの契約者数推移を見た際に、解約に歯止めがかかっていないことから「一定の役割を終えた」ものと見られます。

スカパー!で視聴可能な主なコンテンツと対応する他の動画サービス

契約者数の減少に歯止めがかからない状態になっている「スカパー!」ですが、2024年現在でも視聴可能なコンテンツには主にどのようなものが挙げられるのでしょうか。

結論から言えば「プロ野球」や「サッカー」などが主なコンテンツとして挙げられますが、それらはDAZNなどで視聴可能であることも現実です。スカパー!の主なコンテンツと、それらを配信する動画サービスを見比べていきましょう。

プロ野球

スカパー!で視聴できる代表的なコンテンツにはセ・パ12球団公式戦の全試合生中継があります。視聴プランとしては「プロ野球セット(月額4,483円・税込)」が用意されています。

スカパー!の契約はもう不要? 衛星放送に動画配信サービスに対する優位性はあるのか
(画像は「スカパー!」公式サイトより引用)(画像=『オトナライフ』より 引用)

料金:
・料金内訳 基本料 429円/ 視聴料4,054円
・初月視聴料0円

視聴可能コンテンツ:
・セ・パ12球団公式戦全試合生中継
・プロ野球関連番組

スカパー!でプロ野球中継を視聴する最大のメリットは、「広島カープ」の試合が視聴できることです。

一方で広島カープ以外のすべての試合は、DAZN(月額4,200円)で視聴可能(※広島カープ戦もビジター戦は視聴可能)。なおDAZNではプロ野球中継だけでなく、国内サッカーや海外サッカー、F1なども同じ月額の範囲内で視聴可能です。

スカパー!とDAZN、どちらを選ぶべきかは「セ・パ12球団の全試合を視聴したいか」「プロ野球以外のスポーツも視聴するか」で判断すると良いでしょう。

サッカー

かつてスカパー!は国内・海外サッカーを幅広く中継していましたが、2024年現在はDAZNやU-NEXTの方がJリーグや海外サッカーの視聴がしやすいサービスであるのが現状です。

DAZNはJリーグやセリエA、ラ・リーガ、AFC主催大会(アジアカップなど)を幅広く中継。ちなみに前述の通り、プロ野球やF1なども視聴可能。U-NEXTはプレミアリーグの配信に強みを持つほか、DAZNと同じくラ・リーガの配信も行っています。

スカパー!の契約はもう不要? 衛星放送に動画配信サービスに対する優位性はあるのか
表は各公式サイトを基に筆者が作成(画像=『オトナライフ』より 引用)

一方でスカパー!はブンデスリーガに加え、国内のサッカー中継は「ルヴァンカップ」「天皇杯」のみ。あえて言えば、動画配信サービスに比べて「安価」であるのはメリットです。

とはいえ国内のサッカー好きにとってはJリーグ中継がないのが物足りず、海外サッカー好きにとってはプレミアリーグやラ・リーガの中継がないという寂しい状況であるのが現状です。

宝塚

スポーツ以外では演劇やステージ、音楽の中継なども、スカパー!の魅力の1つ。たとえばスカパー!には、宝塚歌劇専門チャンネル「タカラヅカ・スカイ・ステージ」(月額2,970円)があります。

スカパー!の契約はもう不要? 衛星放送に動画配信サービスに対する優位性はあるのか
(画像は「スカパー!」公式サイトより引用)(画像=『オトナライフ』より 引用)

料金:
月額2,970円(税込)

視聴可能コンテンツ:
・宝塚大劇場や東京宝塚劇場、バウホール等の公演
・全国ツアー、ディナーショー
・役替わり公演、特別公演などの舞台映像

月額3000円弱という料金を高いと思うかどうかは、衛星放送で宝塚を視聴することに価値を感じるかどうかによるでしょう。「タカラヅカ・スカイ・ステージ」では無料放送を行う機会もしばしばあり、無料放送で「快適に楽しめる」と感じたらそのまま加入するのも良いでしょう。

一方で宝塚のサブスクとしては「タカラヅカ・オン・デマンド」もあり、こちらは月額550円(税込)。「安さ」をとるならば、サブスクの方がお得です。

その他

その他、スカパー!で視聴可能なコンテンツには、F1や音楽ライブの生中継などがありますが、このうちF1はDAZNでも配信されています。音楽ライブの生中継は、時期などによって中継ラインナップが大幅に変わるため「見たいライブの中継があるときにだけ加入する」というのはひとつの手かもしれません。