ではそのトリガーが何なのか、これが見えないのです。統計に出てくるような雇用とかインフレ率、経済成長率ではないように見えるのです。
相場を張っている人は好き勝手な理由をつけるのが得意とされます。いわゆる自己都合の論理とも言われるものです。ただ、基本的には大多数の方はロング(買い)から入りますので良い方向に向かうことを願っているはずです。
では株価が上伸する「良いこと」の前提である業績と新しい取り組みはどこにあるのでしょうか?AIとか宇宙かもしれませんが、それはごく一部の企業がほとんど利益を生み出さない形で先行投資として行っており、夢を買っているようなものです。アップルの新型iPhoneの価格を見たらわかるでしょう。AI機能を付けて価格は以前と据え置きです。つまりAI機能が価格としての付加価値を生み出していないのです。
現実社会を大雑把にとらえると個別企業ベースではヒット商品や流行のサービスが生まれていますが、国を持ち上げるほどのニューアイディアが生まれてこないとすれば株価の成長率とGDP成長率はもう少し寄ってきてもよい、つまり年間10%超から4-5%程度にまで寄ってくるのが妥当になる時が来るのだろうと思います。
私がトランプ氏とハリス氏の討論会前日に保有していたアメリカの株式の多く売却したのは討論の結果がなんとなく見えていたのです。優劣をつけたい人のイベントであり、概してハリス氏優勢と出たのです。中間層を厚くするハリス氏の政策だと経済の引っ張り役が出ません。アップルやグーグルは欧州で叩かれ、当局に多額の支払いをすると報じられています。AI事業がまだ金にならないこともわかっています。
だけど民主党はデカい会社を叩き、ハリス氏はもっと起業せよといいます。いまさらアメリカで起業を促す政策は正直、腑に落ちません。「アメリカ人よ、こじんまりまとまれ」と言っているのでしょうか?アメリカはもっとダイナミックな国でした。私からすれば「はぁ?」「あぁ」「あーあ」のつぶやきしか出ないのです。だから私はアメリカ株とは距離を置き、資金をカナダ株に一時的にシフトすべきと考えたのです。