パリから北へ約100km、オー・ド・フランス地方のジェルブロワは、「薔薇村」と称される丘の上の村。薔薇の花が咲き誇る季節には、人口100人にも満たない小さな村には、多数の観光客が訪れます。

「今回は、フランスの最も美しい村」認定の中でも、一際美しいと定評のある人気村、ジェルブロワを散策してみました。ロマンチックな風景を、ぜひお楽しみください。

目次
薔薇村はどうして生まれた?
シダネルの庭園

薔薇村はどうして生まれた?

ジェルブロワ村に多数の薔薇が植えられるようになったのは、新印象派の画家アンリ・ル・シダネル(1862-1939)の功績です。古典画法を学んだシダネルは、同じ時代を生きた印象派の影響を受け、透明感のある淡い色彩の点描技法で美しい情景を描いた画家として知られています。

【フランス】薔薇の花咲く村 ジェルブロワ
(画像=『たびこふれ』より 引用)

ジェルブロワは紀元前から存在していた村で、地方境の丘上に位置するため、古くは強固な城壁で守られた城を有する要塞都市として存在していました。百年戦争や宗教戦争、数々の闘争を経て、高台の廃墟に城壁のみが残った小さな村をシダネルが発見したのは1901年のこと。

この村を気に入った彼は、城壁内にある家を購入し、広い敷地を整備して美しいイタリア式庭園を造ります。その時代、モネが田舎ジヴェルニーに移住し理想郷を造ったことも刺激になっていたのでしょう。

【フランス】薔薇の花咲く村 ジェルブロワ
(画像=『たびこふれ』より 引用)

それから彼はジェルブロワの村を薔薇や花々で美しく飾ろうと村民に提案し、同意した村民の継続的な努力により、美しい薔薇村が誕生しました。

幾多の血が流された要塞の廃墟が美しく平和な薔薇村へ。なんて素敵な再生ではありませんか!

シダネルの庭園

薔薇村の発祥場所、城壁内に位置する「シダネルの庭園 (Les jardins Henri le Sidaner)」を訪問してみました。

【フランス】薔薇の花咲く村 ジェルブロワ
(画像=『たびこふれ』より 引用)

「白の庭」「薔薇の庭」「黄と青の庭」と、3つのテーマで区切られた美しいイタリア式庭園で、多数の薔薇、藤、紫陽花などの花々や木々が庭を彩っています。

アトリエとなった家屋の中には入れません。バラ園の向こうに見えるのは、村の文化遺産であるサン・ピエール教会です。

【フランス】薔薇の花咲く村 ジェルブロワ
(画像=『たびこふれ』より 引用)

美しいドームとピンクのツル薔薇は、詩的でメランコリックなシダネルの絵画世界そのものでした。

  • Les jardins Henri Le Sidaner
  • 住所:7 Rue Henri le Sidaner, 60380 Gerberoy, フランス
  • 電話番号:+33153068980
【フランス】薔薇の花咲く村 ジェルブロワ
(画像=『たびこふれ』より 引用)

綺麗に修復された16−17世紀に建てられた可愛い古民家が並ぶ村の通り。よく見ると、民家の作り方が統一ではありません。

木枠の見えるノルマンディー風、煉瓦造りはピカルディー風。2つの地方の伝統建築が混ざっているのは、境界線の近くに位置する村だからこそ。楽しさも2倍に増量ですね!

【フランス】薔薇の花咲く村 ジェルブロワ
(画像=『たびこふれ』より 引用)

民家の傍に植えられている薔薇の風情も、それぞれ個性的で楽しめます。貴方は、どれがお好き?ああ、薔薇村で暮らしてみたい!

【フランス】薔薇の花咲く村 ジェルブロワ
(画像=『たびこふれ』より 引用)
【フランス】薔薇の花咲く村 ジェルブロワ
(画像=『たびこふれ』より 引用)
【フランス】薔薇の花咲く村 ジェルブロワ
(画像=『たびこふれ』より 引用)