米国のニューヨークを含む一部の州では、居住者がデジタルウォレットでの購入に必要なコインを米ドルに交換することを禁止している。つまり、デジタルウォレットが必要な場合、米国の大部分でSonaCのサービスを利用できない可能性がある。
そこでSonaCは、デジタルウォレットでの支払いを必要としないことで、ブロックチェーン初心者でも簡単に利用できる仕組みを構築。支払いは1回のみ、その後の継続的な支払いは不要という。
二重のセキュリティ・システムでデータを安全に保護
SonaCは強力な暗号化方式である「AES」と“ポスト量子暗号”と呼ばれる公開鍵暗号方式「Kyber」を組み合わせた暗号化プロセスを採用し、ブロックチェーン上のファイルを保護している。ユーザーはアップロード前にワンクリックでファイルを暗号化できる。セキュアなファイル共有が必要な場合、SonaCではキーペア(公開鍵暗号方式で用いられる2つの鍵)生成にKyberを使用することで、暗号化キーを耐量子チャネルで送信することが可能。これにより二重のセキュリティ・システムを構築し、信頼性の高いデータ保護を即座に提供するとともに、量子コンピューターが直面する新たなリスクへの対策を講じる。
SonaCの暗号化技術は、知的財産の保護、重要文書など不変的な記録の作成、規制コンプライアンスへの対応など、さまざまな用途で活用が期待される。
(文・Haruka Isobe)