ブロックチェーン技術を基盤とした分散型インターネットを表す“Web3”という概念が浸透している近年。これに伴い、ブロックチェーン技術を活用してデータを安全に保存するWeb3クラウドストレージ、通称「分散型ストレージ」の需要が高まっている。

特定の管理者がデータを集中的に保管する一般的なクラウドストレージとは異なり、分散型ストレージは複数のコンピュータやネットワークにデータを保存するため、ネットワークの混雑緩和やハッキングリスクの低減などといった利点がある。

しかし、ストレージ利用の支払いにデジタルウォレットが必要になったり、月額・年額の料金を支払い続けなければならなかったりと弊害も多い。

そんななか、BitcoinやEthereumなどのブロックチェーン上に重要なファイルを保存できる米国発の分散型ファイルストレージ「Stakes on a Chain(以下、SonaC)」が登場した。同サービスはデジタルウォレットが不要で、1回の支払いで永久的にストレージを利用できることが特長だ。

ファイルの暗号化、アップロード、共有を簡単に実行

SonaCは直感的なユーザーインターフェースでファイルの暗号化、アップロード、共有を簡単に実行できる分散型ファイルストレージ。

Image Credits:Stakes on a Chain

例えば、個人的な画像、動画、音声、文書などのファイルを暗号化してブロックチェーン上に保存したり、科学論文、特許、商標、ニュース、歴史的文書・画像、NFT資産、アートなどを暗号化せずに公開したりすることが可能だ。

通常のクレジットカードやデビットカードでの支払いに対応しているため、デジタルウォレットやトークンは不要。アカウントの作成やパスワード設定なしで、いつでもファイルにアクセスできる。

SonaCがデジタルウォレットを必要としない理由

SonaCがデジタルウォレットを必要としない理由の1つは、「ブロックチェーン愛好家や特定の場所の人々だけでなく、すべての人に提供したい」という考えがあるからだ。