「男らしさ」は①他の男性が「男らしい」か気になる、②年を取っても男らしくなれていない男性もいる、③男性としての地位があったとしても簡単に失ってしまう、④「男らしさ」は固定的なものではなく、失われることもあるという4つの質問にどれだけ賛成するかにより測定されています。
結果、「男らしさ」に価値を置く国ほど、男性が飲酒や喫煙をする、また交通事故に遭う確率が高いことが分かりました。
そして「男らしさ」を重んじる国は、それほど価値を置かない国と比較して、平均寿命が約6.7歳、健康寿命が約6.2歳短かったのです。
またこの関係性は、国の豊かさや医療機関の充実度の影響を調整しても変わらないこともわかっています。
研究チームは、「男らしさに価値を置く国々では、男性の役割規範を維持するように、リスクを取る行動や健康増進につながる行動の割合低下など男性から強い同調圧力をかけている可能性が高いのではないか。」と主張しています。
「男らしさ」を重視する国は、イランやナイジェリア、ウクライナがあり、男らしさに価値を置かない国は、フィンランド、スイスウェーデンが例として挙げられます。
ちなみに日本は、アメリカよりも「男らしさ」を気にする上位の国としてランクインしていました。
日本の男性の自殺率は、女性に比べ、約2倍ほど高い事実も「男らしさ」に価値を置く国民の特性の表れかもしれません。
現在では若い人ほど「男らしさ」への拘りを強く持つ傾向は小さいように思われますが、切腹という文化が昔存在したことからも、潜在的に「男らしさ」に重きを置く態度が根ざしているとも考えられます。
今回のデータは大学生を対象にして得られたものであり、「男らしさ」が無意識のうちにリスクのある行動や、過度な自立への意識、不安や自信のなさにつながり、寿命を結果的に短くしている可能性が考えられます。
もちろん「男らしさ」のすべてが悪いわけでは当然ありません。