2〜5年前「軌道修正ミッション」
NASAは2022年に、ダブル・アステロイド・リダイレクション・テスト(DART)という実験を実施した。これは、毎時14,000マイル(約22,500キロメートル)の速度で小惑星に宇宙機を衝突させ、その軌道を変更するというものだ。このミッションは成功したが、この小惑星は地球への脅威ではなかった。
しかし、NASAの惑星防衛部門の責任者は、今年2月にDARTのようなミッションを5年未満で実施することは困難だと警告している。NASAと国際パートナーは、宇宙船や核兵器を使った様々なオプションを検討しており、発見から約5年後には核兵器による攻撃を決断し、そのためのテストが始まる。
最終的には、衝突の2年前に爆薬を搭載した装置を小惑星に向けて発射し、その一部を破壊するか、軌道を大きく変える計画が立てられる。この計画には、広島型の原爆1,000万個分のエネルギーが必要とされている。
衝突直前「避難計画」
衝突まで数か月となると、各国の防衛機関が、衝突地点の予測や被害の範囲、地球規模の影響について詳細なシナリオを作成することになる。小惑星が地球のどこに衝突するのか、正確な地点がレーダーで確認できるようになるのは、衝突のわずか数週間前である。
そのデータはFEMAや他の緊急対策機関に送られ、影響範囲内の住民へ避難命令が出される。また、救助計画が策定され、衝突後にできるだけ多くの命を救うための準備が進められる。NASAの報告によれば、衝突地点から300マイル以内の人々、約1億5,000万人が避難または適切なシェルターに入る必要があるという。
最後の数時間、避難が完了した地域では、住民に避難命令が出され、衝突に備えるための指示が継続的に発信される。
衝突後の世界
小惑星の衝突は広範囲に甚大な被害をもたらし、沿岸地域を襲う津波や、大規模な衝撃波、地震を引き起こす。世界中の電気系統や通信システムがほぼ瞬時に機能停止する。
衝突で巻き上げられた大量の粉塵が太陽光を遮り、気温が大幅に低下し、数十年続く「核の冬」が始まる。地球は暗闇に包まれ、大規模な火災が発生して酸素レベルが低下する。
数十億人が命を落とし、生き残った人々も飢餓や凍える寒さ、文明のインフラ崩壊に苦しむことになるだろう。
このような破滅的なシナリオは、人類の存続にとって重大な脅威となる。しかし、科学技術の進歩と国際協力により、この脅威に立ち向かう準備も着々と進んでいる。宇宙防衛は、人類の未来を守るための最重要課題なのかもしれない。
提供元・TOCANA
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