体育会系出身の人が多い

 東京本社をはじめ国内拠点の社員の労働環境は、かなりホワイトになったという声が多い。

「商社なので海外とのやりとりも多いため、かつては時差の関係で深夜残業は当たり前で、海外出張から帰国して空港から会社に直行して仕事をするということもあったが、今は早朝出勤の推奨とセットで原則20時以降の勤務は禁止されており、職場関係の飲み会だけでなく社外の取引先との会食も22時以降は禁止されている。なので自ずとブラックな労働環境にはなりにくい。残業手当やタクシー代の大幅な削減で業績面で良い影響が出ており、慣れると早朝出勤のメリットを感じる社員が多いようで概ね好評」

「年功序列の伝統的な日本企業であり、今でもそうだが体育会系出身の社員が多いので、かつては職場の人の結婚式で若手連中が延々と樽酒飲みを強制されたり、上司が部下を朝まで連れまわして説教するといったこともあったが、今はそんなことをするとすぐにホットラインに通報されてハラスメントだとして問題になるので、すっかりなくなった」

 社員には、どのようなタイプの人が多いのか。

「他の商社と比べると体育会系出身の人が多く、東京大学や京都大学、大阪大学などの国立大学や早稲田大学、慶應義塾大学など上位大学で体育会に所属していたというタイプが多い。MARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)出身の人も結構いるが、本当に優秀な社員は東大出身が多かったりする。商社の仕事は結局は体力勝負かつ強いメンタルを持つ人間が生き残るみたいな部分もあるので、上位大学に入れるレベルの一定程度の知的能力と強い体力の両方を兼ね備えている人物が求められることになる。加えて、当然ながら各種ビジネススキルやコミュニケーション能力、営業力など全方位の能力が求められるので、その意味では“最上位社畜”という言い方はあながち外れてはいない。

“三菱商事と三井物産に追いつけ・追い越せ”という時代が長かったこともあり、上の世代にはものすごいバイタリティで海外に飛び込んでいって事業を切り開くというブルドーザー型の社員が結構いるが、最近では“ほんわか”タイプやスマートな若手社員も増えており、新興国含めてどんどん海外に出て仕事をしたいというタイプは減っているような気もする」