研究者たちは「結果は麻酔薬が微小管に結合することで脳の活動が低下し、意識喪失を引き起こすことを示しており、量子意識理論を支持するものである」また「心が量子現象であると認められるようになれば、私たちは自分自身についての理解において新しい時代に入ることになる」と述べました。

もしかしたら「我思う時に我あり」であるのは、我を思って内面を観測した時にだけ、量子効果によって、意識が発生するからかもしれません。

また研究者たちはプレスリリースの最後に「意識の量子的な理解はより自然で総合的な方法で宇宙とつながることができる世界観を私たちに与えてくれる」と述べました。

ややスピリチュアルな雰囲気を感じさせる言葉ですが、量子意識理論が実証されれば、古典的な意識の概念に縛られている私たちを、より科学的に正しい認識へと導いてくれるのは間違いないでしょう。

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参考文献

Wellesley team’s new research on anesthesia unlocks important clues about the nature of consciousness
https://www.wellesley.edu/news/wellesley-teams-new-research-on-anesthesia-unlocks-important-clues-about-the-nature-of-consciousness

元論文

Microtubule-Stabilizer Epothilone B Delays Anesthetic-Induced Unconsciousness in Rats
https://doi.org/10.1523/ENEURO.0291-24.2024

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。