今季を迎えるにあたり、かつて一時はJ3へと沈んだクラブをJ1まで導いた片野坂知宏監督が3年ぶりにチームへ復帰。J1昇格に向けて心機一転スタートを切った大分トリニータだが、ここまでは苦しい戦いが続く。開幕直後は5試合で2勝2分1敗とまずまずの滑り出しだったが、5月以降は9戦未勝利などで勝ち点が伸び悩み、現在は降格圏と勝ち点6差の16位に低迷している。

それでも、GKから最前線まで各ポジションに伸び盛りの若手有望株が複数揃っており、今後の楽しみが多いクラブであることも間違いない。なかでも今季活躍の光るのはMF保田堅心。安定したパス捌きはもちろん、ここまで4ゴール1アシストと決定力の高さも誇る。また、推進力も高くワンタッチで相手を剥がしながら前を向きボールを前進させられることも大きな武器。密集地帯でもフィジカルとテクニックを駆使してチャンスメイクを計れるのが魅力だ。

リーグでも2番目に少ない得点数が苦境の一因になっている大分にとって、得点力も含め保田の攻撃への貢献度は計り知れない。まずは残留争いから明確に抜け出すためにも、若き大型ボランチへの期待は大いに増していくことだろう。

ロアッソ熊本 写真:Getty Images

神代慶人(ロアッソ熊本)

開幕前、昨年チームを牽引していたMF平川怜、MF島村拓弥といった主軸をJ1クラブへ引き抜かれていたロアッソ熊本。そんなチームにとって、下部組織出身の16歳ルーキーFW神代慶人の存在はまさに希望と言えるだろう。

スタメン出場は少ないものの、ここまで5ゴールは堂々チームトップの数字。うち4ゴールはシーズン序盤の3試合連続ゴールでマークしており、さらにそれらを挙げた相手はジェフユナイテッド千葉、レノファ山口、V・ファーレン長崎と現在上位争いを繰り広げているチームばかり。今季J2の中で確かな力を誇るチームを相手に結果が出せることを証明している。