「CBX」と言えば、ホンダの名車「CBX400F」を思い浮かべる人は多いでしょう。かつては先輩から格安で譲ってもらうようなバイクでしたが、いまや価格は青空天井。状態が良い車両には1,000万円近いプライスが付けられています。

今回ご紹介するのは、その対極にある「CBX125カスタム」です。「ナニそれ?」という人が多いのも当然のこと。発売当初からパッとしないバイクでした。しかしこのバイクには、私のほろ苦い想い出が詰まっているのです。よろしければ昔話にお付き合いください。

永い眠りから目覚める

CBX125カスタムは、1984年に発売されました。ロードモデル「CBX125F」をベースに、低いシートやドロップタイプのハンドルなどが装着され、クルーザー(アメリカン)風にカスタムされています。

今回取材させていただいたCBX125カスタムは、長年放置されていた車両です。現オーナーさんが、知人のガレージの片隅で誇りを被っていたCBX125カスタムを発見。自らレストアすることで、止まっていた時間を動かしました。

「古いガソリンが入ったままだったので、タンク内は錆びつき、キャブも詰まっていました。電装系もやられていたので、動かせるようになるまで時間がかかりました」と言います。約40年前の不人気車のため、ヤフオクやメルカリなどを見ても、なかなかパーツは見当たりません。

単気筒なのに二本出しマフラー

「丸いヘッドライトが主流なのに、CBX125カスタムは弁当箱のような四角いライトを採用しています。こんなカタチは探してもないですよ」と苦笑い。「しかも空冷4ストローク4バルブDOHC単気筒エンジンなのに、マフラーが左右に2本出ています。一体どうなっているのやら」

オーナーさんのリクエストにお答えして調べてみました。
「C11型エンジンは排気バルブごとにエキゾーストマニホールドを持つためアウトレットは2ヶ所となる」とのこと。はい、さっぱり分かりません。さらに調べましたが、説明ができなくなりました。とりあえず「そーゆー必要があった」と理解してください。