トランプ氏が述べているように、それはドルが世界で特別な通貨だから初めて実施できることであるが、それは永久不変ではない。過剰に頼り過ぎればドルの特別性が崩れる。

日本では、アメリカが持つ金融制裁と軍事支援の無限の力を信じ切ったまま、「親宇派」が「親露派」との間で、言い争いをしている光景がおなじみだ。

だがトランプ氏の発言からもわかるとおり、今後の国際社会の行方を占ううえで最も重大な視点は、ドルの未来である。ウクライナ支援のあり方や、調停タイミングの評価なども、その点の評価を度外視したままでは、決して論じることができない。

いずれにせよ重大な内容に関するトランプ大統領の考えを引き出した質問は、とても良かった。日本でも、選挙などの機会ごとに、こうしたやり取りを見たいものである。

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