もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだら









自民党総裁選で小泉進次郎氏が最有力候補になり、「3つの改革」を公約しました。このマンガは2011年に描いたものですが、ここまで早く「小泉進次郎首相」が視野に入るとは思わなかったので、設定にはやや無理があります。

でも彼が「解雇規制の緩和」などフリードマン的な新自由主義の政策を打ち出したことは、このマンガの想定どおりです(小泉さんも読んだそうです)。あらすじはこんな感じです:

民自党は2017年にようやく消費税率を10%に上げたが、増収分は社会保障に使ってしまったので、国の借金はいっこうに減らない。201*年最初の国債入札では長期国債が大量に売れ残り、山柿首相は「財政非常事態宣言」を出し、売れ残った国債を日本銀行にすべて引き受けさせた。

しかしこれが「日本の財政はついに破綻した」というシグナルを市場に送る結果となり、邦銀はいっせいに国債を売り、ヘッジファンドが大量のカラ売りを入れ始めた。国債は暴落して長期金利は10%を超え、邦銀は数十兆円の含み損を抱えた。

長い間デフレの続いていた日本経済だが、いったんインフレが起こると、それが増幅するのは速かった。物価は1ヶ月で10%以上も上昇し、為替は1ドル=150円まで下がった。これはさらに輸入物価のインフレを引き起こし、それによって金利が上がる…というインフレ・スパイラルを巻き起こす。

これを止めるには日銀が国債の引き受けを止めるしかないが、それは日本政府の債務不履行を意味する。山柿首相は歳出を凍結し、消費税を20%に引き上げる「緊急財政再建法案」を通常国会に提出したが、主民党の後原誠司代表が「歳出削減が先だ」と反対して、法案は参議院で否決された。このため山柿内閣は総辞職し、総裁選挙が行なわれた。

民自党内では「このままでは日本経済が破綻する」という危機感が強まり、山柿が後継指名した岩原に対して、若手議員が結束して「ガラガラポンで行こう」と小泉進次郎を推した。総裁選挙で小泉は「新たな小泉改革を行なう」という主張を掲げて闘い、大方の予想を裏切って当選したのだ。