もう1つの特徴は自分の価値観やプライドに固執せず、柔軟にその時々の環境変化についていき合理的な選択肢を選び続ける強さがある。
自分は仕事柄、アドバイスを求められる事が多いが、「わかりました!やってみます!」と口でそういうものの、実際に行動する人は半分もいない。これは行動力がないというより、自分の枠外に現れた選択肢を選べるか否かの「胆力」の問題だ。本当に素直な人であれば、仮に納得できないと感じる助言があれば、素直に疑問を解消するために追加質問をして行動と一致させようとする。
素直な人は応援される素直な人が強い理由は、強者に応援されるからである。自分はある程度成功して満足をした。そんな人物が次に目指すフロンティアは、自分以外の育成である。それは構成世代だったり、法人だったり、地域社会だったりするがいずれにせよ応援する側へ彼らは行く。
人間にとって最大の娯楽とは育成である。事業、資産運用、子育て、推し活、学習、こうした形態は違えど「育成」という本質に対して際限なく何歳になっても夢中になれるのが人という動物なのだ。
だが、強者といえども誰彼構わず愛するわけではない。ではどんな人物なら彼らに愛されるのか? その答えこそが「素直な人」なのである。強者は類まれなる才能や知能だけでなく、「人柄」にもベットする。素直な人は非常に稀な希少動物であり、それ故に価値が高い。特に成人してから尚、素直な人は肌感覚で言えば100人中1人いるかどうかという割合である。同じ育成をするなら、自分を慕ってくれ、何でも真剣に話を聞いてくれる人を大事に育てたいと人間なら誰しも考える。
たとえば親が子供を大事にするのは、自分の遺伝子を持っているからという理由はもちろんあるが、何より素直だからだ。育児をしていると子供は親の言う事を本当にありのまま、まるでスポンジが水を吸い取るように吸収してしまうことに気付かされる。どんな話でも真剣に聞き、本気で信じてくれるのは嬉しい反面、間違った知恵を授けてしまわないか不安になるほどだ。