例年通りの8月

8~9月の時期は端境期(はざかいき)と言われ、前年産の「古米」とその年にとれた「新米」の入れ替わりによって例年在庫は減少するそうです。

さらに、8月のお盆の時期は、運送業者も休みとなり配送ペースも減速しやすい状況にあります。

これらのことから、どうしても例年8月はコメの流通量が少なくなる傾向にあるのだそうです。

想定外の災害が引き金に

今年は例年通りの理由に加え、農水省にとって想定外の災害も発生。農林水産省の担当者は、「お盆前のタイミングに相次いで地震が発生したことで、災害に備えてコメを買い込む人が多かった」と見解を示しました。

このような状況下では、計画していた需要量が想定していたペースを上回る事態に。結果として、「令和の米騒動」と報道されるコメ不足に陥ってしまったと考えられるそうです。

9月にはコメ不足回復見込み

そんなコメ不足の状況ですが、千葉県や茨城県など早く出回る産地の新米が流通し始めているとのこと。他の産地も、これらに続き新米が徐々に出回り、新米の仕入れは2023年以上に増えていく見込みです。

農林水産省は、コメ不足は9月にも回復すると発表しています。また、8月27日にはコメの集荷業者や卸売業者の団体に対し、流通の円滑化に努めるよう文書でも要請。

「なるべく多くの場所に行き渡るように、フル稼働で精米や運輸を行い、不足の解消に向け取り組んでいる」と、コメ流通に尽力している姿勢を見せました。

ただ、消費者の不安が完全に拭いきれたとは言い難いでしょう。需要量以上にコメを購入するなどの買いだめは続いている状況です。この状況がいつ収まるかは、農林水産省でも想定ができず、確実な回復時期は明言できないといいます。

農林水産省は、「消費者には買いだめなどはせず、冷静な判断・行動を取るようにしてほしい」と呼びかけています。

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